商品開発におけるSDGsの取り組み事例と企業が得られるメリット

2022/06/24
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SDGsとは、「持続可能な開発目標」の意味で、ここ数年国内外で非常に注目されている概念です。国内の企業でも、このSDGsへの配慮と推進への取り組みを努力目標として掲げるところが増えてきています。
ここでは、商品開発におけるSDGsの取り組み事例、及びSDGs推進により企業自身が得ることができるメリットについて解説します。

SDGsの取り組み事例

企業においてSDGsを推進する意義とは、格差や貧困をなくし、環境や福祉に配慮した企業の方針を打ち出し、意思決定していくこと。そしてこれらにそぐわない古い価値観や、差別や格差、無駄を生む方法を排除していくことです。その具体的な事例について、製造業を例に見ていきましょう。

自社製品を貧しい地域の子どもに贈る

貧困地域だけでなく、たとえば子ども食堂や児童養護施設など、厳しい境遇の中で過ごしている子どもへの寄付を行う企業があります。

自社の商品にフェアトレードのものを入れる

生産者や労働者に敬意を払い、価値に見合った対価をしっかりと払うことは企業の責任でもあります。

自社の男女格差問題への取り組みや働き方改革を進める

管理職の性別の偏りや、常勤と非常勤の性差などを少なくし、性別ではなく意欲や能力で平等に登用することは、会社の発展に寄与します。また、社会へのメッセージにもなるでしょう。

SDGsへの取り組みによって企業が得られるメリット

「持続可能な開発の推進」と聞くと、とにかくあるものを使い果たさないように、倹約することだと思われる方や、発展する流れから逆行する、競争社会で敗北するようなイメージを持つ方も少なくありません。しかし、実際にはSDGsを取り入れることは企業にとってメリットも大きいことなのです。
第一に、廃棄を減らすために材料を再利用したり、無駄を抑えた設計にしたりすることで実質的なコストカットにつながります。コストが減っただけ純利益が増加するということです。それを実現するための研究開発費、その技術を実装するための初期費用などはかかりますが、長期的に見て取り戻すことが可能となります。
第二に、SDGsの推進はブランド力になり得るということです。このことは、2つの面で恩恵を受けられます。一つは、顧客向けのブランディングです。環境や社会福祉への貢献を打ち出すことで、企業イメージや商品イメージが上がり、結果として売り上げアップに繋がります。もう1つは、リクルート面での恩恵です。信頼できる企業イメージが定着することで、優秀な人材の注目が集まるので採用力の強化につながっていきます。

商品開発とSDGsへの取り組み方

SDGsは、具体的には「17の目標と169のターゲット」から成ります。17の目標は、例えば「貧困をなくそう」、「飢餓をなくそう」「産業と技術革新の基盤を作ろう」など。169のターゲットとは、この17の目標を達成するための具体的な数値目標やアクションです。
SGDsの推進を一層進めていくためには、これらの目標とターゲットを今一度よく見つめ直し「自社製品がSDGsにそぐわない点は何で、どこを改善したらいいだろう?」というトップダウン的思考が必要です。また「何かSDGsを推進できるような製品を新しく作れないだろうか」というボトムアップ的思考の両面から、企業運営と商品開発を進めていくことも重要となってくるでしょう。

今回のまとめ

SDGsを製造業において推し進めていくことは環境にとって有益であるだけでなく、自社のブランディング向上にも大きなメリットになります。具体的な取り組み事例を参考にSDGsを日々の業務の中に取り入れることで、利益を上げていくことも可能になるでしょう。商品開発の分野においても、SDGsを推し進めていけるようご検討ください。