仕上がりを左右する自動車のモックアップ製作におけるインテリアデザインの重要性

2022/06/13
column

自動車を製造する際には、モックアップ製作が不可欠です。モックアップ製作は開発者と製作者の間にあるイメージのすり合わせをするために行います。製造に入る際トラブルを避けるためにも、モックアップ製作は非常に重要。今回は、インテリアデザインに関してモックアップ製作をする重要性を解説します。

モックアップ製作におけるインテリアデザインは開発者にイメージを伝えるのが重要

自動車の製作にはモックアップの必要性は高いと言えます。モックアップを利用することで、完成前に新しい製品の性能・安全性・イメージの確認が可能です。インテリアデザインに関しても、しっかりイメージをすり合わせてモックアップ製作を行うことで、製品完成後のトラブル回避ができるでしょう。
インテリアデザインのモックアップにおいては、ベニアなどを使い内部の空間を作り、ステアリングやペダル、シートを取り付けます。こうしてドライビングポジションを簡易的に再現し、確認を行うのです。最終的なモックアップは、よりリアルに細部の部品や素材までこだわって作製していきます。
モックアップ製作の段階においてとても大切なのが、開発者と製作者間のイメージの共有です。開発者のイメージがしっかり伝わっていないと、モックアップ製作がそもそも意味をなさなくなってしまいます。製品作製段階での問題が起こらないよう、少し細かすぎるようなことでもしっかりとイメージをすり合わせながら、モックアップの製作を意識することが大切なのです。

安全工学や人間工学的観点から導き出されるインテリアデザイン

自動車のモックアップ製作をする目的は、おしゃれなデザインのイメージ確認だけではありません。安全性や快適性の確認が必須です。自動車のインテリアデザインを作り出すには、安全工学と人間工学的な観点が欠かせません。
安全工学は、安全を確保するための工学です。言わずもがなですが、自動車は衝突などの事故を予測して設計されていなければなりません。レイアウト一つにしてもかっこいいものより、安全性の高いものを優先すべきでしょう。
人間工学とは、機械の装置や作業を行う環境に対して、人間の精神や身体の特性が合うように設計・調整をする科学です。自動車のインテリアにおいては、人間の姿勢や視界、反応速度などの限界を考え、より快適にストレスなく運転できるよう環境を整えるのに役立ち、切り離せない研究分野だと言えるでしょう。
具体的には、シートの乗り心地やシートベルトの有効性、ステアリングやさまざまな機器の操作のしやすさなどに活かされます。モックアップ製作におけるインテリアデザインは安全工学や人間工学的観点を忘れず、きちんと認識したうえで進めていかなければなりません。

機能性と快適性を決めるのはモックアップ製作におけるインテリアデザイン

安全性を確保できたら、次は機能性と快適性に着目します。現代において、自動車は単なる移動手段ではありません。ひとつのリラックス空間として生活を豊かにしてくれる存在です。
モックアップ製作において機能性と快適性の技術的な検証を行うことが可能です。大量に生産する前に妥協することなくこだわりを追求することで、結果的に効率よく製品が完成します。

今回のまとめ

自動車製作においてモックアップ製作は欠かせません。そのなかでもインテリアデザインのモックアップは、デザインや色だけでなく、しっかりとした安全工学や人間工学の視点が大切であり、機能性や快適性もしっかり検査して、その内容を製作者・開発者間で共有しておく必要があります。
モックアップのクオリティは、完成形の成功を左右します。開発者はモックアップ製作者にしっかり細部までイメージを伝え、製作者はしっかりとそのイメージを理解・再現し、互いに妥協することのないよう検証を重ねることが大切です。