製品開発における試作品製作の準備は具体性を持たせて行う必要があります

2022/04/14
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試作品製作には具体的な計画が重要です。アイデアを具現化するためには、イメージどおりに作ろうとするだけでは不十分であり、製作過程で起きる問題や、完成後の欠陥を防ぐ手立てなども含めて検討しなければいけません。
今回は、製品開発を手がける方々のために、正しい準備の方法をご紹介します。

試作品製作を行う前の準備の流れと内容

試作品製作には決まった流れがあります。大きくわけて以下の6ステップです。

・1.企画立案
・2.部品設計
・3.見積り
・4.製作
・5.納入
・6.試験

新製品開発は、主に上司からの指示でプランや目標を決めます。ここでいう目標とは、売上や生産数、商品改善の目安などです。企画立案が終わったら目標に適うようにシミュレーションを繰り返します。そこから部品の形状を決めていく流れです。
次は、図面やデータをもとに、メーカーに見積り依頼を出しましょう。見積り額に基づいて加工方法や製作プロセスを決めます。そこまで済んだらいよいよ試作品を作り、試験や評価に進みます。
ここで懸念されるのが部品到着の遅延です。組み立てるパーツが製作スケジュールに間に合わず、納期に遅れるリスクもあります。そのためのバックアッププランを作成しておけば、スケジュールのロスを最小限に抑えることができます。
また、試験評価が想定を下回った場合は、原因をチェックしたのち設計を変更しなければなりません。このような事態も想定しながら、製作スケジュールを決めてください。

製品開発に試作品製作が欠かせない理由

試作品製作が重要な理由は、主に3つです。

・適正コストの想定ができる
・生産性の向上
・製造や構造についてほかのアイデアが見えてくる

適正なコストを算出するために、試作品製作は大いに役立ちます。それは、試作段階で余計な部分やもっとコストをかけるべき箇所が見える可能性があるからです。最初の試作品からどこにいくらお金をかけるべきか、その価値に見合ったコストなのかを考えて進めましょう。
他にも試作品によって正しい生産方式を探ることができます。新しい技術を試作品製作で取り入れ、うまくいけば今後の新商品開発にもつながるでしょう。さらに何度も試作品を製作することで新しい構造や製作スタイルが分かり、理想の物づくりのヒントが見えてくる可能性もあります。

具体性のある試作品製作を行うためのポイント

試作品製作は、イメージしたものを形にしていくことに注目されがちですが、製作過程で起きる問題の対処法を考えるという大きな役割も担っています。そのため、具体性のある試作品製作を行う際は、コミュニケーションをとることが大切です。
コミュニケーション不足は、商品開発においてリスクにつながります。試作段階だけでも何度もやり直しが必要になり、完成までのスケジュールに悪影響が出るかもしれません。こうした事態を防ぐためにも、依頼時は要望や条件を細かく伝え、適切な作り方を話し合ってください。

今回のまとめ

試作品製作では、コミュニケーションが重要です。企画立案時は社内で入念に製品イメージを話し合い、依頼時は業者との慎重な打ち合わせが推奨されます。試作品がイメージとかけ離れていたり、致命的な欠陥があったりしないよう依頼前の準備が大切です。
東海モデルでは、自動車を中心に試作品製作を受け付けており、プレゼンや商品開発、デザイン検討までさまざまな用途に対応しております。試作品製作で気になることがあればぜひご相談ください。