商品開発のデザインにおける「レンダリング」とは 2022/02/10 column レンダリングといえば、建築設計のプロセスやインテリアデザイン設計において多用されていますが、商品開発の世界でも欠かせないものです。試作品製作や商品開発のデザインをするにあたって非常に重要なレンダリングとはそもそも何か?どのような目的で作られるのかについて分かりやすく解説します。 【目次】 1.商品開発におけるレンダリングとは? 2.商品開発においてレンダリングを作る目的は? 3.レンダリングは試作品製作にも重要 4.今回のまとめ 商品開発におけるレンダリングとは? レンダリング(rendering)とは、日本語でいう表現や解釈という意味合いを持つ言葉です。商品開発において作られる工業デザインの分野では、紙もしくはパソコンなどのディスプレイ上に描かれたイラストや画像を指します。例えるなら商品の完成予定図のようなものです。レンダリングはコンセプトスケッチやアイデアスケッチと区別して、レンダリングスケッチと呼ばれることもあります。 ちなみに、コンセプトスケッチとは描いているイメージを簡単なスケッチで表現し、方向性を整えるものです。一方のアイデアスケッチは、イメージに合ったアイデアをスケッチ化し、そこからデザインの幅を広げるためのものです。そして、レンダリングスケッチは、配色や具外的なディティールなどを決めていく役割を果たすのに使われます。 商品開発においてレンダリングを作る目的は? 前述したコンセプトスケッチやアイデアスケッチは、まだ方向性やアイデアを練っている途中段階に作られます。一方、レンダリングは具体的にどのような商品を開発するかのデザイン案が決まり、詳細な部分を詰めていく段階で使われます。 多くの場合、手書きなどのラフスケッチをもとに3DCGを用いて製作されるのが一般的です。手書きのラフスケッチは立体的に描いたとしても、多角的に見ることはできません。しかし、3DCGを用いて行うレンダリングは立体的で、さまざまな方向からデザインを確認することができ、また画面上で動かすことも可能です。 また、3DCGレンダリングはリアルな素材感やカラーリングなども確認できるため、よりリアルな状態を表現できるという強みもあります。そのため、プレゼンテーション目的としても利用されます。 レンダリングは試作品製作にも重要 レンダリングは商品開発における試作品製作においても重要な役割を果たしています。試作品は、商品開発予定の商品をより正確かつリアルに製作することで、形状確認や機能確認を可能とします。しかし、試作品製作をするにもラフスケッチや平面図だけでは、イメージを伝えることは難しいでしょう。 また、デザイナーが作った意図や細やかな部分がつかみ取りにくいものです。そこで活躍するのがレンダリングです。3DCGを用いて作っておけば、あらゆる方向からデザインを見ることができ、サイズ感や奥行きといったものまで立体的に感じることができます。ですから、レンダリングを基に試作品製作をすれば、デザイナーの意図を正確に反映した試作品製作が可能になるのです。つまり、レンダリングは設計したデザインをより忠実に試作品製作に生かし、最終的に量産する商品につなげるために非常に重要であるといえるでしょう。 今回のまとめ レンダリングは、商品開発の要であるデザインを、デザイナーと共有し、最終的な商品に仕上げていくために重要な役割を果たしています。また、量産前に行うべき試作品製作をする際に、そのデザインを正確に表現するためにも欠かせません。3DCGでレンダリングをするのは難しそうと感じるかもしれませんが、利用しやすいソフトなどもありますので、商品開発の際にはぜひ製作することをおすすめします。