商品リリース後に試作製作を行って改良することの重要性

2022/02/09
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商品開発では、企画から市場調査、試作品の製作などを経て商品がリリースされますが、決してそこで終わりではありません。リリースした商品がより多くの消費者に選ばれるため、また長くその商品のファンになってもらうためには、新しい付加価値をプラスすることも大切です。この記事では、商品リリース後に改めて試作製作を行い、改良することの重要性について解説します。

【目次】
1.段階によって異なる試作製作の目的
2.試作製作の改良はコストメリットを上げる
3.試作製作の改良は商品品質を向上
4.今回のまとめ

段階によって異なる試作製作の目的

試作製作といえば、「商品リリースに向けて行うもの」だけと考えがちです。もちろん、商品開発段階においては、社内検討用をはじめ展示会や商談などで新商品をアピールすることを目的として作られます。
また、より多い商品受注を得るために、図面ではなくリアルな試作品で品質や性能、使用感を体験してもらうことも試作製作をするためのメリットでしょう。さらに、実際に商品となった際の品質や耐性、コスト試算などを、量産前に確認する目的も含んでいます。その一方で、商品リリース後にも試作製作が繰り返し行われます。この試作は、リリース後の商品製作のコストメリットを上げることと、商品のバージョンアップが目的となります。

試作製作の改良はコストメリットを上げる

商品リリース後も試作製作を繰り返すことは、商品を製造する際のコストメリットを上げるために重要です。いまや商品に使用される材料の素材は次々と新しいものが生まれ、改良され続けています。材料1つの価格は小さなものでも、それを量産すると積み重ねでコストに跳ね返ってくるでしょう。
そこで、品質を下げることなく、材料費を抑えることでコストメリットを上げることは非常に重要です。そのためには、商品リリース後も試作製作を定期的に行う必要があります。
また、同時に製造にかかるコストを抑えるために、他の製造方法を模索するのも利益率の確保に欠かせません。このように、商品リリース後も試作製作を繰り返すことはコストメリットをより出す上で重要です。

試作製作の改良で商品品質を向上

商品リリース後に、試作製作を行って商品を改良することは、商品自体の品質を向上させるためにも重要です。実際に、商品がリリースされ消費者が使用し始めると「ここが不便だ」「こんな機能があったらいいのに」というリアルな声がいくつも生まれてきます。これらのすべてを実現することはできなくても、要望が多いものを実現することで一度購入した消費者は改良されたバージョンの商品をまた購入したいと感じるものです。
たとえば携帯電話などを例にとると分かりやすいでしょう。既に販売されているメーカーから新しい機能が付与され性能がアップした商品が販売されると、消費者はそれを買い求めます。手持ちのものが故障していなくても新商品を購入するのは、向上した商品品質に魅力を感じているからに他なりません。
このように、商品リリース後の試作製作は市場調査時よりもリアルで多くの声を集めることができ、それを商品改良に生かすことができる大きなメリットを持っています。

今回のまとめ

商品開発を成功させたいと考えるのであれば、試作製作は商品リリース前と商品リリース後にも行うことが大切です。商品リリース前と後では目的は異なりますが、一時的ではなく長く愛される商品に仕上げていくためには、商品リリース後も消費者の声を拾いあげ試作製作を繰り返すのがおすすめです。また、利益を確保するためには使用する材料や製造方法を常日頃から模索しておくことが重要です。