試作品製作・商品開発における「筐体設計」とは

2022/02/11
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あまり耳慣れない言葉かもしれませんが、「筐体(きょうたい)設計」は商品開発において重要な役割を果たしています。わたしたちが日頃よく使用するスマートフォンやパソコンなどにも筐体設計が取り入れられています。この記事では、筐体設計の概要と機械設計における種類、さらにどのような役割を果たすものかについて解説します。

【目次】
1.商品開発における筐体設計とは?
2.機械設計における筐体設計は3種類
3.筐体設計の役割と立ち位置
4.今回のまとめ

商品開発における筐体設計とは?

筐体設計とは、電気機器や機械などの外枠の箱を設計することを指します。分かりやすい例をあげると、デスクトップパソコンのパソコン本体のPCケースやスマートフォンでいう外枠などがこれにあたります。エアコンやテレビの外側の部品を収納している箱や、エンジンなどが入っている車のボディなども同様です。つまり、部品などを収納しているいわゆる箱部分の設計をすることが筐体設計と呼ばれるものです。
スマートフォンやパソコンを消費者が購入する際は、そのスペックも大事ですが、スペックが同じであればその外観部分がどうかという点に注目が集まるでしょう。そのため、商品開発において筐体設計は非常に大切なデザイン部分だといえます。

機械設計における筐体設計は3種類

機械設計について考えてみると、構造設計、筐体設計、機構設計の3つに分類されます。
まず構造設計とは、機械的な動きがない設計のことで、外装部分である筐体設計もこれに含まれます。構造設計のなかでも、外殻部分を担うのが筐体設計です。また、機械的な動きがある設計は機構設計と呼ばれます。
また、筐体は素材に応じて板金筐体、ダイカスト筐体、樹脂筐体に分かれます。板金筐体とは、鉄もしくはアルミをはじめとする金属の板が使用され、溶接加工や曲げ加工などを用いて箱状に組み立てられます。ダイカスト筐体も金属を使用して作られる筐体ですが、こちらは複雑な形をした筐体を量産する際に使用され、スマートフォンの筐体などがこの技術を用いて作られます。
樹脂筐体は、プラスチックで作られる筐体で、加熱した樹脂を金型に流し込んで冷却させることで固める射出成形が用いられています。板金筐体やダイカスト筐体と比較して軽量なのが特徴です。

筐体設計の役割と立ち位置

筐体が持つもっとも大切な役割とは、筐体内の機器や装置、機械などを保護することです。使用環境や目的によっても異なりますが、内部の機械や装置を外部からの衝撃から守ることや、誤作動を防ぐための防塵、気圧変化による故障を避ける耐圧、防水性、温度対策、耐光など実にさまざまです。
また、モーターなど音がでるものが筐体内にある場合の騒音対策、ノイズ対策、密閉対策、外部への電磁波流出対策が目的となることもあります。近年、ますます筐体設計に求められる項目が増えてきています。たとえば、購入する消費者の目線から考えると筐体には機能面だけではなく、デザイン性もかかせない点でしょう。
また、スマートフォンのように持ち運ぶ場合は軽量化や耐久性、操作のしやすさも重視されます。さらに、安全性といったものから納期短縮やコストダウンも求められる項目に含まれます。多様化する消費者の要求を満たすためにさまざまな対策を講じる必要があるでしょう。そのため、筐体に関しても試作品製作が行われ、何度も修正が繰り返されることも少なくありません。

今回のまとめ

以前であれば商品開発といえば、その商品自体の良さや魅力のみが注目されてきました。しかし、商品を保護するために外側の筐体設計も重要となります。また、商品をより魅力的な外観にするためには外観デザインの良し悪しも見逃せません。商品開発を行う上では商品自体だけでなく、筐体部分にも着目し、筐体設計を行うことが大切です。