マスプロダクションを考慮した試作品製作・商品開発

2022/02/04
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商品開発をする上で、考えるべきこととしては売れる商品にすることだけではありません。開発した商品を製作するのに、どのくらいの費用や手間がかかるのかということも重要です。当然のことながら、費用はそれを手にする消費者への販売価格を大きく左右します。また、手間がどのくらいかかるかは、納期にも影響します。そこで考慮すべきなのがマスプロダクションを考慮した商品開発や試作品製作をすることです。この記事では、商品開発におけるマスプロダクションのメリットやデメリット、試作品製作が果たす役割について解説します。

【目次】
1.マスプロダクションとは?
2.商品開発におけるマスプロダクションのメリットとデメリットとは?
3.マスプロダクションを実現させるのが試作品製作
4.今回のまとめ

マスプロダクションとは?

マスプロダクションは、英語で「mass production」と綴られ、大量生産を意味します。ここでいう大量生産とは、限られた種類の製品を大量に生産する生産形態のことです。特徴としては、自動化された生産設備を用い、ライン生産方式で一度に大量の製品を作り出すことができることが挙げられます。注文を受けてから生産する個別受注生産とは逆の生産方法です。マスプロダクションの始まりといわれるのが、アメリカの自動車メーカーフォード社の生産方式です。
今では当たり前になっている「自動車を構成する膨大な部品が組立ラインで組付けられ、最終的に1台の自動車ができあがる」という生産方式こそが、商品開発に欠かせないマスプロダクションなのです。

商品開発におけるマスプロダクションのメリットとデメリットとは?

商品開発において、マスプロダクションを用いることのメリットとデメリットをご紹介します。主なメリットは3つあります。
1つ目は、コストを抑えられること。大量に生産するため、そこに必要となる材料を一度に安く仕入れることができ、低価格での製造、販売が実現できます。
2つ目は、商品の質にムラがないこと。マニュアル化されたラインで製作することで品質を安定させることができます。
3つ目は、スピーディーに市場に売り出せること。生産スピードの早さが、納期の早さにもつながり、ビジネスチャンスも逃しづらくできます。一方、デメリットとして品質が低くなり、安かろう悪かろうといった製品になってしまうこともあります。
インターネットビジネスの加速にともない流行サイクルが目まぐるしく変わり、商機を逃さないようにと納期短縮をしてしまうことに問題があるとも考えられます。

マスプロダクションを実現させるのが試作品製作

マスプロダクションを考慮して商品開発をする上で、より品質が高くできるだけ長く愛される商品を作るために大切になってくるのが、試作品製作です。試作品を製作することで、コスト面での課題をクリアにすることができます。このことは、価格を抑えるのに役立つでしょう。
また、生産技術を向上させることにつながり、品質を高めることにつながります。さらに、新しい商品開発をする上でのヒントを得られ、製造方式を検討するキッカケも生まれます。簡単にいうと、試作品製作をすることで、より品質が高くコストを抑えた商品を生み出すことができるということです。これは、設計図面だけでは実現できない大きな魅力であり、事前に製造工程での問題点などを排除することも可能にします。

今回のまとめ

マスプロダクションは、より品質が高くて低価格な商品を世に送り出すために重要な生産形態です。しかし、大量生産段階で問題が起こってしまうと、ラインが止まってしまい、納期が遅れるばかりか製造業者にも迷惑をかけてしまいます。そのため、スムーズに大量生産できる状態にもっていくためには、ぜひ試作品製作をご検討ください。試作品は、遠回りせずに済む商品開発成功のポイントとしても重要です。