企業がものづくりの初期段階で行うべきコンセプトの評価調査

2022/01/10
column

新商品の製品化・既存商品の改善などを行う前に、商品のコンセプトを複数提示し、消費者がどのような反応を示すか確かめる調査を、「コンセプトの評価調査」と言います。ターゲットとする消費者に対して、コンセプトが受け入れられるかどうかを知るには、一定量のデータが必要となるため、インターネットを使ったリサーチを採用する手法が一般的です。そこで今回は、評価調査の目的や流れなど、評価調査について今回の記事で解説します。

【目次】 
1.なぜ評価調査を行うのが大切なのか?
2.評価調査の流れを解説
3.評価調査をどのように活用したらよいのか
4.今回のまとめ

なぜ評価調査を行うのが大切なのか?

コンセプトの評価調査は、コンセプトの内容と消費者のニーズが合致しているか、不足している点はないかなどを確かめ、より質の高い製品を市場へ送り出すために行う調査です。どのコンセプトが消費者に一番受け入れられるかを検証し、新製品の開発やリニューアルなどに役立てられます。
調査評価を行う場面として、製品コンセプトの選定が多く見られます。調査コストは当然かかりますが、社内での議論のみで終わるのではなく、エンドユーザーである消費者の意向を取り入れるのは大変重要なのです。

調査評価のメリット

調査評価は、社内での議論だけでは分からない消費者の反応をダイレクトに確認でき、要望を製品に活かせるメリットがあります。企業側が売りたいためのコンセプトではなく、消費者が受け入れられるコンセプトを確かめるためには、調査評価を有効的に活用することが必要です。
消費者のニーズが把握できれば、社内での議論が平行線になるのを防げるようになり、議論が円滑に進められます。

評価調査の流れを解説

評価調査を行うには、まず調査企画を立て、調査の目的や内容を設定します。その後、調査方法を決め、調査票の作成・調査実施に移ります。 この時コンセプトを複数用意し、調査結果を照らし合わせると、幅広い角度から調査結果が分析可能です。
調査方法は、最初に挙げたネットリサーチのほかに、グループインタビューや会場調査などがあります。調査結果が集まったら集計を行いますが、「単純集計」と「クロス集計」を用いて分析するのが一般的です。
単純集計により、質問に答えた人数や回答比率、平均値などを求めで全体の傾向をつかみ、クロス集計により、単純集計のデータに加え性別年齢地域などを加味(クロス)して、さらに詳しい調査結果を算出します。
ほかにも、調査内容や調査会社によって、異なる分析方法を用いる場合もあります。

評価調査をどのように活用したらよいのか

評価調査の結果を蓄積することで、製品の売れ行きをある程度予想できるようになり、生産スケジュールを立てる際の参考資料として活用できます。さらに、最も重要である消費者目線での見方ができるようになり、広告に用いると効果的と考えられる表現や、製品の方向性などが明確になります。
調査結果をもとにして、特定の評価が低い箇所があれば、その箇所を改善すると、顧客満足度が上げられる可能性があるのです。 その結果、調査結果と言う理論に基づいた正当な評価や判断ができ、これまで以上に適切なマーケティング施策につなげられるでしょう。

今回のまとめ

評価調査の方法によっては、コストがかなり高くなる場合もありますが、評価調査が成功すれば何倍もの利益が期待できます。消費者のニーズを的確に捉えて製品の売れ行きを上げ、企業の利益を伸ばすには、今回紹介した流れで評価調査を実施してみましょう。