時代が求めるモノづくり企業でカーボンニュートラルに取り組む方法

2022/10/18
column

これまでは気候変動と考えてきたことが、今では気候危機となるまで状況がひっ迫しており、世界的に時代が求める地球温暖化の防止が喫緊の課題となりました。
今回は、こういった時代背景が求めるモノづくり企業(製造業)のカーボンニュートラルへ向けた取り組みについて、詳しく解説します。

原材料や製品の輸送からCO2を削減するカーボンニュートラルの取り組み

運送部門におけるCO2排出量のうち、トラックが占める割合は30~35%程度です。引き続きCO2削減の取り組みを行っていく必要があります。

モーダルシフト

モーダルシフトとは、より少ないCO2排出量の輸送機関への転換を図ることです。例えば、トラックだけの輸送を鉄道や船舶による輸送に一部転換し、トラックの輸送距離を短縮することです。

輸送網の効率化

トラックでの輸送距離を短縮し、CO2排出量を削減することです。例えば、新たに集約センターを設置し、共同配送をすれば輸送網の効率化が図れます。

次世代トラックの採用

電気トラック、燃料電池トラックなどの次世代トラックへの転換が実現すれば、CO2排出量の削減に大きく貢献できます。ただし、いずれも燃料確保という課題を抱えていますので、改善対策が必要になります。

ものづくりの製造プロセスを企業が徹底的に見直すカーボンニュートラルの取り組み

製造工程で高い熱が必要とされたり、大型の燃焼機器があることにより、化石燃料を源とした多くのエネルギーが使用となります。それにより、電気加熱、水素エネルギーなどの新しい技術への転換が期待されています。
また、製造工程にある様々な機器や設備を見直すと、AIなどの先端技術を駆使できます。そうすると、稼働状況を管理するスマートファクトリーの導入により、人的作業ミス、産業廃棄物などを減らせます。結果としてCO2排出削減に繋がるでしょう。

リサイクル素材の活用でものづくりをして循環型システムを構築する企業の取り組み

カーボンニュートラルの実現のカギを握る技術の一つが、カーボンリサイクル。カーボンリサイクルとは、鉄鋼・化学製品の製造過程などで発生するCO2を回収し、化学製品などに再利用するとともにCO2の排出量を削減しようという新たな取り組みです。
また、あるスポーツ用品メーカーでは、循環型リサイクルシステムを構築し、CO2削減に取り組んでいます。衣料品を回収し、独自のシステムにより高純度な原料に戻して再生する技術により、今ある製品から新しい製品を作ることが可能です。

今回のまとめ

カーボンニュートラルに取り組むことは、地球温暖化現象を抑制し、企業イメージの向上にも貢献するとされています。とかく製造業はCO2排出量が他業界と比べて多いという現実があるため、CO2の削減が急務。しかし、取り組みの推進は製造業や運送業のみならず、すべての業界ひいてはすべての個人・企業が行っていく必要があるでしょう。