カーボンニュートラルとは?ものづくり企業において重要である理由とメリット

2022/10/17
column

人間のさまざまな活動から排出された温室効果ガスは、地球温暖化を進め気候変動を引き起こしています。昨今の日本では、毎年のように異常気象が原因とされる自然災害で被災。その影響は自然災害にとどまらず、農林水産業、生態系、経済活動など広範囲にわたり、国際的な課題となっています。
この記事では、カーボンニュートラルについて、特に製造業の取り組み、メリットなどについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

カーボンニュートラルとは?

カーボンニュートラルとは、炭素(カーボン)を中立状態(ニュートラル)にする方法であり、温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにすること。温室効果ガスの排出量を完全になくしてしまうことは難しいため、排出量から吸収量を差し引いて、できる限りゼロを目指すという意味です。温室効果ガス排出量の約90%を二酸化炭素(CO2)が占めており、目標実現のためにはCO2の排出量を抑える必要があります。
また、排出量の削減とあわせて植林や森林管理などの吸収量の強化にも取り組む必要があります。地球温暖化を防止するために、さまざまな国や企業などで脱炭素社会の実現への取り組みが行われています。

CO2排出量が多いものづくり企業においてカーボンニュートラルが重要な理由

カーボンニュートラルへの取り組みは、製造業においても重要なことです。日本におけるCO2排出量の中でも製造業が占める割合が高いためです。環境省の「温室効果ガス排出量について」では、他の部門に比べて製造業のCO2排出量が多いとの結果が出ています。
製造業が環境に与える負荷のうち、その中心は製品を製造しているとき(生産過程)です。この生産過程で発生するものには工場廃棄物、温室効果ガスによる大気汚染、水質汚染、騒音などがあります。

カーボンニュートラルに取り組むメリット

カーボンニュートラルに取り組むことにより得られるメリットは、次の通りです。

コストの削減

目標達成のためには、省エネルギーや再生可能エネルギーの活用が重要です。これらの取り組みには非効率なシステムや設備の更新が必須であり、結果的に光熱費・燃料費のコスト削減に繋がります。

知名度・認知度の向上

注目を集める温室効果ガス排出量の削減を実現した場合、メディアへの掲載や国・地方自治体からの表彰対象となる可能性があります。そうなれば、国内外から称賛され、知名度・認知度の向上に繋がるでしょう。

社員のモチベーション向上

企業として国際的課題に取り組むことは、社員の共感や信頼の獲得に繋がります。社員のモチベーションは向上し、企業の姿勢に共感する若い世代の人材獲得にも貢献することが可能です。

今回のまとめ

カーボンニュートラルを2050年までに実現することは、国際目標として認識されています。日本においても脱炭素社会の実現を目指す政府が宣言しており、今や国全体で取り組むべき課題です。
世界各国の動向や情勢などを幅広く情報収集し、個人や企業としての取り組み方を真摯に考えることがカーボンニュートラルへの第一歩と言えるでしょう。