試作品製作におけるNC旋盤の機能と特徴を活かすためのポイント

2022/09/09
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ものづくりには欠かせない「NC旋盤」ですが、試作品製作においてNC旋盤の機能や特徴を最大限生かすためにはどうしたらいいのかとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。NC旋盤は技量に関係なく、高精度な加工ができる機械。NC旋盤を利用して試作品製作を行う場合、加工難度と要求精度を正確に把握するなどNC旋盤の機能や特徴をしっかりと生かすことが大切です。
ここでは、NC旋盤を生かすためのポイントについて解説します。メーカーの製品開発担当者の方には必須の内容ですので、ぜひ参考にしてください。

試作品製作の際は加工難度と要求精度を正確に把握!NC旋盤と汎用旋盤の住み分けを適切に行う

試作品製作においては、NC旋盤と汎用旋盤のそれぞれの特徴を生かして、住み分けを適切に行うことが大切です。
そもそも、旋盤とは切削加工を行う工作機械のこと。円形状の材料を回転させながら刃物に押し当てて加工していきます。この過程において、手作業で行う汎用旋盤と自動加工が行えるNC旋盤があり、それぞれメリットが違うので注意が必要です。大量加工を必要としない試作品製作では、両方を取り入れて精度の高い製品を製作していく必要があるでしょう。
試作品の完成に向けて、細かい調整や加工が必要な部分は汎用旋盤で、加工位置や送り速度など設定した数値通りの加工で良い部分はNC旋盤を利用するなど、上手く住み分けて利用するのがおすすめです。

NC旋盤の特徴である精度の安定性が活きるのはまとまった数量を生産するとき

NC旋盤の特徴が最も生きるのは、大量生産を行う時です。
NC旋盤を導入することで、機械の自動化により、常に一定の安定性を保つことができます。汎用旋盤であれば、常に人が必要となるため、人員の技量による精度の不安定性や生産性の低下による精度の低下が考えられるでしょう。
NC旋盤は、常に決められた数値に基づいて精密に加工作業をするため、膨大な数の大量生産を行っても精度が保たれるのがメリットです。
また、精度だけに留まらず、汎用旋盤で時間を要していた加工時間を短縮し、高効率で作業を進めることができます。作業の工数を削減しつつ、安定した製作を繰り返せるNC旋盤は大量生産に適しています。

製品の機能をしっかり考えて要求精度を厳しくしすぎないことがコストダウンへの近道

試作品製作において、製品に求める機能を開発者が理解した上で、適正な精度で生産を進めていくことが大切です。
本来の製品に求める精度以上の加工は、時間を必要とするだけでなくコストを膨らませる原因にも繋がります。製品に求める精度が発揮されれば、試作品製作の段階では十分なため、必要以上に精度を追求しない意識も大切です。
もし、優れた製品が試作品段階で完成しても、現実的ではないコストがかかっていれば製品化は難しくなります。また、汎用旋盤の加工では、手作業によるコストも懸念材料です。NC旋盤を上手に活用することがコストダウンへの近道だと言えるでしょう。

今回のまとめ

今回はNC旋盤の機能や特徴を活用するためのポイントについて解説しました。NC旋盤は決められた数値に基づいて、常に一定の精度で製作を続けられる工作機械です。特に、NC旋盤の機能や特徴から、大量に製品を製作するときが最も力を発揮するでしょう。
試作品製作において、時間やコストを抑えて効率的に製作を進めたい方は、ぜひ東海モデルまでお問合せください。幅広い業種の試作品製作を行っておりますので、精度が高く、スピーディーな製作が進めるようにサポートさせていただきます。