商品開発を成功させるために重要となる付加価値の付け方とは?

2022/08/23
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商品開発における付加価値とは、市場にすでに出回る競合商品に対し、自社でしか実現できない機能やサービスを付け加えることです。他社が出す類似商品との差別化を実現する事とも言い換えられます。
付加価値を付けた新商品の開発に成功すれば、より多くのユーザーから商品が求められるようになり、価格を相場より高く設定することも可能になるでしょう。今回は、新商品開発において重要な付加価値の付け方について解説します。

商品開発には既存のものに付加価値を付けるイメージが大切

まず、市場に出回る商品は、価格以外での差別化を図るのが難しいとされています。なぜなら、数多くの類似商品が存在するため、何を基準にその中から適したものを選べば良いのか分からないからです。その点、価格は分かりやすく差別化が図れるポイントとも言えます。
一方で、商品に付加価値が付けられたら、他社にアドバンテージが取れるようにもなります。たとえば、「昔からよく目にする定番商品だけれど、あるメーカーのものを選ぶと水洗いができ清潔に保管しやすい」などといったメリットがあると価格が高くなっても選ばれます。
これは、まったく新しい商品を一から開発するという意味ではありません。ある程度売り上げが見込める既存の商品に、他社では実現し難いような付加価値を付けられれば、価格競争からの脱却もできるようになるのです。

オリジナリティあふれる付加価値が商品開発では重要になる

市場が飽和状態であるということは、ほかの企業と同じようなスタンスで商品開発を行っていても成功はつかめません。既存の商品に、独自の機能やデザインを新たに加えるのも付加価値を付けるという意味では良い方法です。しかしながら、他社との差を明らかにしたければプラスαのアイデアが必要になります。
ここで重要になるのが、オリジナリティあふれる付加価値を新商品に付けるという作業です。
例えば、商品にストーリーを与えることで他社との差別化が図れ、価値を高められるという方法があります。商品にユーザーが共感できるような物語があると、その価値をまったく違うものに変化させられるからです。
これをうまく利用しているのが、スーパーなどに並ぶ生産者が表示された野菜の販売です。商品に名前と顔写真を付けることで、食の安全性のほかにも生産者が顔を出してもいいほどのこだわりを持って野菜を育てているというストーリーが、購入者の共感を呼ぶことになるのです。

付加価値にも種類がある?意識して「差別化された商品開発」をしていこう 

ビジネスにおける付加価値には3種類あります。「差別化された商品開発」には、どんな付加価値を作っていくのかが重要になります。また、それによりアイデアも異なってくるため、以下の3種類の付加価値を意識しながら商品開発を進めると良いでしょう。

機能的価値

一つ目は機能的価値です。これは、商品やサービスの機能やスペックによってユーザーを引き付けることを意味します。たとえば、デパ地下の総菜はスーパーの総菜に比べて使用する素材が良くクオリティが高いので、スーパーではなくデパ地下で購入しようと考えるのは機能的価値によるものです。

感情的価値

二つ目は感情的価値です。商品をとおして生まれるポジティブな感情を指します。綿100%のシャツでも、オーガニックコットン使用のほうがそうでないものより、肌触りが良く安心そうだという価値観がこれに当てはまります。

自己表現的価値

三つめは自己表現的価値です。ある商品を持っているだけで、理想の自分に近づけるという価値観のことです。中古のコンパクトカーでも移動手段には十分だけれども、好みのカスタムカーのほうが自分らしくいられると考えるのも一例になります。

今回のまとめ

類似商品が出回る市場の中で、ライバルとの競争で生き残るためには、自社商品にオリジナリティあふれる付加価値を付けることが求められます。そして、付加価値がない商品は、価格以外にユーザーを引き付ける要素が少ないため、価格競争に巻き込まれてしまうかもしれません。
一方で、差別化された商品開発ができれば、多くのユーザーからその商品が選ばれるため価格を高く設定できるようにもなるでしょう。