ものづくりをしている企業にとって欠かすことができないレジリエンス

2022/08/22
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災害やコロナ禍などの状況下において、「レジリエンス」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。レジリエンスはものづくり企業にとって重要な言葉であり、事業を継続するためには欠かせない考え方です。ものづくり企業は自社の製造だけでなく、サプライチェーンも把握しておかなければなりません。ここでは、ものづくり企業におけるレジリエンスの意味、部品調達先の確保について解説します。

ものづくりをする企業に必要とされるレジリエンスの意味

ものづくり企業に必要なレジリエンスとは、災害などの外的要因から様々な被害を最小化しうる能力のことです。企業活動を通常通り行う上で、企業活動が困難になる想定外の事態に対して「準備をしておく」ことがレジリエンスの主な考え方となります。
従来の日本のものづくり企業では、過剰在庫を防ぐために在庫量を最小化して効率的に生産活動を行う方式が普及していました。しかし、災害などの有事の際には、生産活動の停止や停滞のリスクも考慮しなければなりません。世界規模のコロナウイルスの蔓延において、感染拡大の影響は多岐に渡っており営業活動の縮小だけに留まらず、調達や物流・配送などの供給側にも影響があります。レジリエンスはものづくり企業が有事の際にも対応し、事業継続のための重要な考え方だと言えるでしょう。

ものづくり企業のレジリエンスにおいて重要となる部品の調達先の確保

レジリエンスを考慮する上で、部品の調達先の確保について策定しなければなりません。ものづくり企業はすべて自社で製造するわけではなく、外部から部品を調達して製造することがほとんどです。外部から部品を調達できなければ、製造が止まってしまうことも考えられます。
レジリエンスを考える際には、このような調達リスクを考慮しておくことが重要です。調達リスクを軽減するためには、さまざまな方法で調達先を確保しなければなりません。調達先を確保するために重要な点として、以下の点が挙げられます。

・調達先の数社購買
・在庫調整
・部品調達先の可視化
・国内での一貫生産

部品調達を検討する上で、「必要な部品がどこにあるのか」「代替品はあるのか」などを把握しておくことが重要です。事業を継続するためには、サプライチェーンをすぐに把握できる状況にしておくようにしましょう。

災害時のことも想定しておくべきレジリエンスの強化

世界規模の災害に見舞われた際、グローバル化したすべてのサプライチェーンにリスクが発生することになります。海外から部品を調達している企業は、海外から輸入できなくなる可能性もあるのです。部品が輸入されないことで、国内製造のみの企業は製造できなくなる可能性が高くなります。
世界規模の災害による危機を想定するならば、効率化だけを求めるのではなく、多元化や製造拠点の確保も重要です。災害時において、ものづくり企業の事業継続のためにレジリエンスの強化が必須だと言えるでしょう。

今回のまとめ

レジリエンスは災害などの外的要因からさまざまな被害を最小化しうる能力であり、企業活動が困難になる想定外の事態に対して「備え」が主な考え方です。レジリエンスはものづくり企業が有事の際にも対応し、事業継続のための重要な考え方だと言えるでしょう。
ものづくり企業がレジリエンスを考える上で、部品の調達先を考慮しなければなりません。部品が調達できなければ製造が止まる可能性もあるので、調達リスクに繋がります。調達リスクを軽減するためには、サプライチェーンをすぐに把握できる状況にしておくことが重要です。レジリエンスは世界規模の災害に見舞われた事態も想定し、対応できるようにする必要があります。
世界規模の災害による危機を想定するならば、効率化だけを求めるのではなく、多元化や製造拠点の確保も重要だと言えるでしょう。