企業のものづくりと町工場(中小企業)が生き残るための経営戦略とは?

2022/06/16
column

ものづくりを生業にする町工場の中には、今後の経営について悩んでいる経営者もいるのではないでしょうか。町工場には日本の高度経済成長期を支えた企業がありますが、現在では経営に関わる重大な問題を抱えている企業が増えてきました。町工場が生き残るためには、しっかりとした経営戦略が必要です。ここでは、ものづくりの町工場が抱えている問題、中長期的な経営戦略の重要性について解説します。

ものづくりの町工場が抱えている問題

ものづくりの町工場が抱える問題として、実際に業務に従事する人材の確保・教育が挙げられます。日本は少子高齢化に伴い、労働者人口の絶対数が減少傾向。地方の町工場が人材確保できないのは、地方出身の若者が東京や大阪などの都会での就業を希望することが多いことも要因です。若者が地方の町工場を就業希望しないのは、製造業のイメージが悪化しており、製造業に対する不安な気持ちからくるものだと言えるでしょう。
町工場の人材確保が困難な背景として、従業員規模数に対する応募者の減少も考えられます。従業員規模数が少なくなるにつれ、求人に対する応募者が少ない傾向。そのため、指導側の能力や意欲不足などのさまざまな問題点が報告されています。ものづくりの町工場が抱える人材確保・教育の問題は根深いものがあり、人材補充だけでは解決になりません。

中長期的な経営戦略が必要

ものづくりの町工場が人材確保・教育に抱える問題を解決するには、中長期的な経営戦略が必要です。中長期的な経営戦略はさまざまですが、まずは経営基盤を整えることが先決。そこで、経営基盤を整えるために、行政の支援策を活用する例があります。
ものづくり事業による助成金制度を活用することで1,000万円まで、IoTを駆使した最新設備の導入などにより3,000万円までの補助金が受けられます。人材不足を補うために、外国人労働者を受け入れる町工場もありますが根本的な解決にはなりません。若者が抱く製造業のネガティブなイメージを払拭し、ものづくりに興味を持ってもらうことが重要ですが、すぐには難しいでしょう。WEBメディアの活用やものづくりに関するイベントの開催など、既存の製造業のイメージをポジティブなものに変える戦略を立てる必要があります。

海外進出も視野に入れるメリット

ものづくりの町工場が生き残る経営戦略として、海外進出も視野に入れた取り組みを行うことが重要です。少子高齢化が進む日本では、自国内での工業生産高の伸び率を望むのはほぼ不可能。一介の町工場がいきなり海外に拠点を構えるのは難しいので、海外とのビジネスチャンスを掴むことが必要です。国によっては海外から国内への企業誘致を進めていることもあり、日本の技術が必要とされる場面は大いにあります。
町工場には諸外国にはない技術や人材があるので、海外に向けたアピールによって海外から求められることもあるでしょう。ものづくりの町工場が生き残るための経営戦略として、海外に目を向けた取り組みも必要かもしれません。

今回のまとめ

ものづくりの町工場が抱える問題はさまざまですが、人材の確保・教育という点で共通しています。人材の確保が進まなければ従業員規模数の縮小につながり、従業員規模数が少なくなるにつれ、求人に対する応募者も減少することが報告されているのです。この問題を打破するためには、若者の製造業へのイメージアップが重要であり、WEBメディアの活用やイベントの開催などで悪化したイメージを払拭し認知度を高めることが重要だと言えるでしょう。
ものづくりの町工場が生き残るための方法として、自社の技術や人材の強みを生かした海外進出もあります。国によっては海外から国内への企業誘致を強めている国もあるので、海外とのパイプを築いておくことも非常に重要です。