製造業における人材不足の現状と改善法とは?ものづくり企業の人手不足の原因と対策

2022/06/17
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製造業は私たちが生活する上で必要な業種です。しかし、この業界は長年人材不足となっており、2025年問題と同じように労働人層の減少がさらに追い打ちをかける可能性が否定できません。今回は、人材不足の現状と主な原因について解説しますので、人材不足改善のために何ができるのか参考にしてください。

ものづくり企業における人材不足の現状

世界的なコロナウイルスの感染拡大によって、当然製造業にも大きなダメージを及ぼしました。なかには生産中止に追い込まれた業種や、製造業として規模を縮小せざるを得なかったところもあります。現状の人材不足も当然ありますが、人材そのものが育っていないので、将来的な人材不足はより深刻になると言われています。
この将来的な人材不足は、事業継承にも影響すると予想されているため、代わりがいないという深刻な問題となるでしょう。

ものづくり企業が人材不足に陥っている主な原因

製造業が人材不足といわれている原因は複数あり、現実問題として捉えることができるものもあれば、イメージによるものもあります。

労働人口の減少

日本は少子高齢化が叫ばれており、2025年には団塊世代が後期高齢者となり、超高齢化社会へ突入。労働人口の減少から、人手不足はさらに追い打ちをかけると言われています。労働人口が減少することで、人手が必要な業種は製造業を中心に死活問題です。
労働人口の減少は目の前にある実際問題として避けては通れません。そのため、早急な解決策が求められています。

3Kなどのネガティブなイメージ

製造業のイメージには、「3K」のイメージがあります。「3K」とは、きつい、汚い、危険の3つのKを取ったものであり、仕事を選ぶ際に避けたくなるのも無理はありません。
しかし、製造業はネガティブなイメージだけではないため、明るくポジティブなイメージを抱いてもらうように、仕事に対するメリットをアピールする機会も必要になってきます。
若い世代にプラスのイメージを持ってもらうには、SNSや自社サイトでのアピールが効果的です。やってみたい仕事だと思われるような発信ができれば、自然と製造業を選ぶ人も増えるのではないでしょうか。

後継者不足

製造業では、現場で経験を積む下積み期間がありますが、この下積み期間が製造業の場合長いため、どうしても人材が育たなくなってしまう傾向にあります。下積み期間が終わると、ものづくりの開発や設計に携われるようになるのですが、ここまで10年かかることもあるそうです。そのため、若い人にとっては魅力的な仕事と思えずに、他業種に人材が流れてしまいかねません。
現場での仕事はもちろん重要ですが、同時に開発や設計にも何らかの形で携われるようになると、製造業の面白さが若い世代に伝わるのではないでしょうか。

人材不足改善に向けて実施すべき対策とは

人材不足を改善するために実施したい対策は、労働環境を整備することです。就きたい仕事だと思われることで、自然と若い人材が集まってくるでしょう。働きやすい環境を提供し、福利厚生を充実させることも必要。加えて、派遣社員や外国人労働者を雇い入れる方法もありますが、短期間だけ働いて欲しい人材を雇用するよりも、長く働けるような体制を整えることも大切です。

今回のまとめ

製造業は労働人口の減少で人材不足を避けて通ることはできません。現状でも人材不足は顕著となっており、将来はさらに不足すると言われています。この現状を解決するために、働きやすい環境を提供したり、魅力的な仕事だとアピールしたりすることが必要となってくるでしょう。