製品の開発担当なら知っておくべき検査治具の試作品製作の素材と加工方法

2022/05/11
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製品を間違いないように製作するためには、最終的に検査を行って均一なものにする必要があります。そのために必要なのが、「検査治具」です。加工や組み立ての際に検査治具を利用して作業位置を誘導し、間違いの内容に組み立てなどを行っていくことが求められます。
検査治具については最終的に製品の質を決めるものであるため、検査治具自体が間違っていると製品の質に重大な問題が生じてしまいかねません。そのため、検査治具は試作品を製作し、正しいものを作る必要があるのです。
この記事では、検査治具の試作品製作の素材と加工方法について、詳しくご紹介します。

検査治具の試作品製作は素材選びが大切な理由

検査治具は正確性が求められることから、素材選びからしっかりと考えて行わなければ、正確な製品を量産することはできなくなります。製品の種類によって適切な素材は決まってくるため、製品の特性と合致した検査治具の素材を選ぶことが大切です。適切な素材を選ぶことで作業効率も上がり、よりスピーディに正確な製品を作成することが可能になるでしょう。検査治具によく使われる素材について、以下でご紹介します。

検査治具によく使われる素材:ステンレス

ステンレスは錆びにくく、検査治具の正確性を維持しやすい素材となっています。水を扱う現場では錆びにくいことが重視されるため、食品加工など水を多く扱う工場などで使われることが多い素材です。

検査治具によく使われる素材:アクリル樹脂

アクリル樹脂は割れにくく、耐久性が高いことが魅力の素材です。比較的加工しやすいうえに安価で取り入れられるため、さまざまな現場の検査治具に用いられている素材です。

検査治具によく使われる素材:シリコン樹脂

シリコン樹脂は、熱に強く、さらに耐水性も兼ね備えているため、通常摩耗では変化しにくいのが特徴です。検査治具として正確に作ることで、長期間にわたって正確性を保ったまま現場で活躍してくれるでしょう。

加工方法を工夫すると検査治具の試作品製作は選択肢が広がる

これまで検査治具は、製作工程の中で設計図を用いてそのとおりに作成していくなど、加工方法の選択肢が少ない状況でした。しかし最近では3Dモデルと設計図を組み合わせることで、より視覚的に明確に完成イメージを共有できるようになっています。また電気設計を用いることも可能になり、さまざまな加工方法の選択肢が広がったことでより正確性を高めることができているのです。

3Dモデルによる加工

検査治具については3Dモデルで完成品をモデリングすることにより、完成したイメージが設計図だけの場合より分かりやすくなります。まずは大まかにどんな検査治具を求めているのかを形にするという意味合いにおいても、3Dモデルの活用はメリットが大きいのです。

検査治具の試作品製作は検査や測定が欠かせない

先にも述べたとおり、検査治具は最終的な製品の成否を決めるものとなっているため、検査や測定を繰り返して正確なものを作ることが必要です。組立公差(精度)の調整、動作確認といった細かい作業を繰り返すことで、正確性を最大限に高めていかなければなりません。各種データが取れて、治具の品質保証ができた段階で、検査治具は完成します。

今回のまとめ

検査治具は製品の正確性を高め、また正確な製品を量産するために欠かせない存在です。検査治具を作る際には素材選びを慎重に行い、また加工方法の工夫などを通して正確性を限界まで高めることが求められます。検査治具を正確なものとすることで、高品質な製品を数多く生み出すことが可能となるのです。