自動車試作を行う上で知っておきたいピニファリーナが手がけたカーデザイン

2022/03/15
column

自動車試作において、カーデザインは第一印象を与えるため非常に大切なポイントです。直線を活かすか、曲線を活かすかでもフォルムが変わりますし、顧客が抱くイメージにも影響してきます。そこで今回は、自動車試作を行う上で知っておきたいピニファリーナが手がけたカーデザインについて紹介していきます。

【目次】 
1.ピニファリーナとは
2.ピニファリーナが手がけたカーデザイン
3.ピニファリーナの優雅さと曲線美
4.今回のまとめ

ピニファリーナとは

ピニファリーナとは、1930年創業の世界的に有名なデザイン企業です。もともとは「カロッツェリア」と呼ばれるイタリアの自動車デザイン工房から出発し、設立当初は富裕層向けのオーダーメイドのカーデザインが中心でした。近年では自動車産業の垣根を超えて、オフィスチェアや歯ブラシなどの日用品やプロジェクターや電話機などの家電のデザインも担っています。
コカ・コーラやCISCOなど世界的有名なメーカーやブランドのデザインを手がけることも多く、2006年にはトリノオリンピックの聖火台やトーチのデザイン・製造もおこなっています。

ピニファリーナが手がけたカーデザイン

ピニファリーナはさまざまな自動車のデザインを手がけてきており、日本国内では日産のブルーバードや初代ホンダのシティカブリオレ、三菱のパジェロイオソレントなどのカーデザインを手がけています。その中でもフェラーリ社カーデザインによって名声を手にしました。ピニファリーナとフェラーリ社の共同モデルは「フェラーリ 212インテルクーペ」に始まり、「デイトナ」「365GT4」など1960年代から1980年代にかけて豊富に生み出されました。
そしてもう1つ見逃せないデザインは「チシタリア202クーペ」で、1947年に製作され“動く彫刻”とも呼ばれています。ボディとフェンダーが一体となった美しいデザインは、開発当時は自動車モデルの概念を覆す画期的なもので、現代の自動車の多くが同様のデザインとなっています。また、チシタリア202クーペは、そのデザイン性から1951年にニューヨーク近代美術館で永久展示指定もされています。

ピニファリーナの優雅さと曲線美

ピニファリーナのカーデザインが支持されるのは「優雅さ」と「曲線美」が大きな理由です。フェラーリ社のスポーツカーをはじめとして、直線よりも曲線の美しさを発揮させたデザインを得意としており、なめらかで伸びやかなフォルムは見る者を魅了します。たとえばフェラーリで一番美しい車ともいわれている「ディーノ206GT」はピニファリーナが手がけており、流れるように風を切って走る姿や停止時も凛として美しいデザイン性は他に類を見ません。

今回のまとめ

今回は自動車試作を行う上で知っておきたいピニファリーナが手がけたカーデザインについて紹介してきました。ピニファリーナのデザインは自動車の魅力を存分に引き立たせる造形ばかりです。美しいシルエットやなめらかな曲線美など、ピニファリーナから学べるデザインは多いでしょう。自動車試作を検討している人はぜひ参考にしてみてください。