電気工作を含む試作品製作・商品開発のプロセス

2022/01/25
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試作品というと展示会用のモックアップのような見本のイメージが先行するかもしれませんが、商品開発における試作品はあくまで量産化を前提とした検討プロセスの一つです。開発する商品によってはプラスチックだけ、金属だけといった単一の材料で形作るシンプルなものももちろんあります。
しかし、電化製品のように電気工作を含む商品の試作品となってくるとそうはいきません。そこでこの記事では、電気工作を含む試作品製作や商品開発のプロセスと、電気工作を含むケースならではの特徴や注意点についてご紹介します。

【目次】
1.電気工作を含む場合の商品開発フローと各プロセス
2.設計〜試作〜量産までまるっとアウトソーシングできる時代
3.今回のまとめ

電気工作を含む場合の商品開発フローと各プロセス

電気工作を含む場合の商品開発の大まかな流れと各プロセスを見ていきましょう。

1. 企画・立案

まずは、商品コンセプトを作る、ターゲットを設定する、開発計画を立てるなどの企画づくりを行います。ニーズを捉えるための市場調査や競合調査などと併行して行っていくことになります。ネットリサーチはポピュラーかつ手軽な手法ですが、より精度の高い調査結果を得たいのであれば、調査代行サービスなどを利用するのも良いでしょう。

2. 基本設計

企画段階で設定された機能をもとに設計仕様書を作成し、設計思想を構築します。その上で、設計思想に基づいたデザインを設計します。

3. 電気・電子回路や機構の設計

電気工作を含む商品を開発する際には、電気・電子回路や機構の設計を行います。発生する熱が機器や電子部品そのものに与える影響も考慮しなくてはならないため、シミュレーションを経て熱対策を盛り込んだ「熱設計」も大変重要です。小型化すればするほど内部スペースが限られてくるため、その重要度は増します。
また、量産化を踏まえた設計でなくてはなりませんが、電気・電子部品の搭載工程も配慮した設計である必要があります。

4. 試作品製作

電気工作を含む場合、単なる見た目の上でのデザインや形状面での機能性だけでなく、電気を使う製品としての安全性を前提としたデザインや機能性が問われます。この部分をおろそかにした場合、単に洗練されていなかったり使いづらかったりというだけでは収まらず、最悪の場合事故につながりかねません。
また、温度を測定して熱対策が十分かを評価することも必要です。不十分と判断されれば、部品の配置を見直したり、断熱材や放熱部品を取り付けたりといったこともあるでしょう。

5. 生産工程の確立

商品開発では、量産する際の生産工程を確立する必要があります。シンプルな構造のものほど生産工程もシンプルになりますが、電気工作を含む商品の場合は配線などの分だけ工程数が増えます。

6. 量産

確立した生産工程に従って量産します。

企画・設計〜試作〜量産までまるっとアウトソーシングできる時代

試作品製作のプロセスをアウトソーシングできることはよく知られています。ですが、意匠データを設計図に落とし込むところから、あるいはアイデアを企画として立案するところから、試作工程を経て最終的な量産までのサポートを依頼することも可能です。自社で一貫して対応するのももちろん一つの方法ですが、商品開発に長けている外注先があるのであれば任せられる部分は任せるというのも合理的な判断といえるでしょう。

今回のまとめ

アイデアをカタチにする際には、様々な工程をふむ必要があります。提案型総合試作メーカーである東海モデルでは、試作品製作はもちろん、企画段階からワンストップで対応。長年培ってきたノウハウで、商品開発をトータル支援しております。(部分的な請負も行っております。)貴社のモノづくりのお手伝い役として、ぜひご検討ください。