建物や商品などの実験用模型・実験用モデルで確認できる機能

2022/01/20
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ものづくりを行うにあたっては、企画段階からはじまり、いくつかの模型やモデルが作られます。マイホームなどの建物を建てるときの打ち合わせなどで建築模型を目にしたことがある方も多いでしょう。商品づくりについても同様です。エンドユーザーが目にしないところで、模型やモデルが作られて検証されていくのです。この記事では、建物や商品などを製作する際に欠かせない実験用模型や実験用モデルでどのような機能が確認できるのかについて解説します。

【目次】
1.実験用模型や実験用モデルとは?
2.建物に求められる耐震性の確認
3.建物に欠かせない強度の確認
4.今回のまとめ

実験用模型や実験用モデルとは?

模型には、目的に応じて色々な種類があります。デザインなどの外観を確認するために作られるものもあれば、プレゼンテーションやコンペ用に作られるものもあります。数ある模型の中でも、ものづくりに欠かせないのが実験用模型や実験用モデルです。実験用という言葉が示すとおり、企画・設計されたこれから生み出される商品などが、設計通りに動くのか、耐久性はどうかなど、実際に動かしてみてその機能を確認するためのものです。
コンピューターの理論上では問題がなくても、使用する素材によっては動きが滑らかでない、繰り返し使ううちに摩耗が激しくなるなど、改善点が見えてくるものです。それらを明確にし、商品価値を持ったものづくりへと落とし込むために使用されるのが実験用模型や実験用モデルなのです。

建物に求められる耐震性の確認

では、建物を作る際に活用される実験用模型では、どのような機能が確認できるのかをご紹介します。
1つ目は「耐震性能」の確認です。地震大国といわれる日本では、東日本大震災以降、特に耐震化率の向上が重要課題となっています。そのため、戸建て住宅などでは、実物大の実験用模型を製作し、実際に過去に起きた地震と同等レベルの地震で、構造体への損傷や建物の倒壊がないかの実験が行われています。
また、重い瓦屋根と軽い金属屋根のミニチュア模型をそれぞれ製作し、屋根の重さによって地震による揺れがどう異なるのかという実験などをしているメーカーもあります。これらは、実際に施主に違いを知った上で、屋根などパーツの素材を選択してもらいやすくするというメリットもあるでしょう。

建物に欠かせない強度の確認

2つ目の機能としては、実験用模型を建物の「強度」を確認するための使用でしょう。風洞試験と呼ばれる実験では、風環境実験と風圧実験の2つがあります。風環境実験をすることで、防風対策がどの程度必要かどうかを確認でき、風圧実験では建物の外装材を設計するにあたって必要な建物の立面が受ける風邪からの圧力である風荷重をチェックするのに役立ちます。
これらの検査は、特に階数が高いビル建設などにおいては欠かせません。これ以外にも、騒音対策として音の伝わり方や漏れ方などの機能や風通しを検証する通気実験などもあります。

今回のまとめ

今回は特に建物に特化して説明しましたが、実験用模型や実験用モデルは商品開発においても欠かせません。たとえば、家具製作において耐荷重を繰り返しかけることで耐久性を確認できます。このように、ものづくりを進めていく上では、最終的によりレベルの高い商品を開発するにあたって、実験用模型の活用は必須とも言えるでしょう。他社に負けないものづくりや商品開発をするためには、実験用模型にて市場に出た後のトラブルを未然に防ぐことをおすすめします。