アメリカの経営学者であるマイケル・ポーターが提唱する3つの基本戦略

2022/10/21
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企業が発展、成長していくにはライバルとの競争に勝たなくてはいけません。企業は有利な市場地位を獲得するために、他社とは異なる独自の戦略を選択する必要があります。
ここでは、アメリカの経営学者マイケル・ポーターの提唱した戦略について、基本的なことを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

マイケル・ポーターが分類した3つの競争戦略とは?

ポーターの競争戦略に関する理論の中から、3つの基本戦略についてご紹介します。

コストリーダーシップ戦略

価格面で優位性を確保しようとする戦略です。大企業は大型の製造設備を有しており、固定費を下げられるため、価格競争で有利になります。コストリーダーになることで市場最低価格によるシェア獲得の実現や、平均的価格を設定することが可能です。

差別化戦略

自社独自の商品やサービスを提供し、競合他社と明確に差別化することを目的とした戦略です。独自性を生み出すことだけが差別化戦略ではなく、商品・サービスに価値があると認知してもらうことが重要だと言えるでしょう。

集中戦略

特定のターゲットや地域、製品などに経営資源を集中させる戦略です。経営資源が乏しくても成果を出しやすいため、ベンチャー企業や中小企業に向いています。

商品開発における差別化戦略

差別化戦略は、競合他社とは全く違う特異性のある製品を生み出すことで差別化する戦略です。この戦略は、商品開発においても活用されるべき方法です。例えば、競合他社の強み・弱みを研究する、自社の強みを見つけて積極的にアピールするなどの方法が考えられます。
差別化とは、簡単に言えば他社との違いをつくることです。既存商品の改善は、その優位性をユーザーに認めてもらうことに困難が伴います。また、市場ニーズとずれてしまう可能性も否定できません。ここで求められるのは、市場のニーズを満たし、かつ世の中にはまだない商品の開発に注力することです。これまでの常識や流行とは反対のものに着目する、発想の転換が必要となります。

商品開発において各競争戦略が抱えているリスク

戦略を実行する場合には、業界や市場のニーズの変化を注視しながら、個々の戦略に伴うリスクをあらかじめ想定しておきましょう。
まず、コストリーダーシップ戦略は立場を維持するための設備投資負担がある、競合他社の模倣により優位性を失う可能性があるなどが挙げられます。次に、差別化戦略では、差別化要因がニーズに合わなくなる可能性がある、競合他社の模倣により差別化が認識されなくなる、などが挙げられるでしょう。最後に、集中戦略は絞り込んだターゲットのニーズが陳腐化し優位性が保てなくなる、競合他社の追随によりユーザーを奪われる可能性がある、など各々がリスクを伴うのです。

今回のまとめ

今回は、マイケル・ポーターが提唱する3つの基本戦略の概要をご紹介しました。これらの戦略を効果的に活用して、優位性を勝ち取った企業はたくさん存在します。中途半端にあれこれと手を出すのではなく、自社のスタンスを明確にしたうえで戦略を実行する必要があるでしょう。
競争戦略をうまく活用すれば良い結果が出せることを認識し、継続的な発展を目指していくことをおすすめします。