商用・営業用サンプル品の製作などで使われる真空注型の用途やメリット・デメリット

2022/08/02
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商用・営業用サンプル品の製作において、真空注型を検討している人もいるのではないでしょうか。真空注型を検討するのであれば、事前に用途やメリット・デメリットを把握しておくことが重要です。ここでは、真空注型の用途やメリット・デメリットについて解説します。真空注型に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。

商用・営業用サンプル品の製作で活用される真空注型の用途

試作品製作で活用される真空注型には主に3つの用途があります。
・形状確認
・検証試験
・コスト削減

形状確認

実モデルと実寸大で試作可能な真空注型は、形状確認のために行われます。切削加工などの試作法は実モデルと実寸大で試作するには熟練した技術が必要。真空注型であれば実モデルに類似した試作品ができるので、プレゼンや販促用サンプルとして試作が可能です。

検証試験

試作品製作の開発・設計段階において、機能性や実装評価などさまざま検証を行わなければなりません。試作品製作で真空注型は実モデルと類似した試作品を試作可能なので、可視化評価などの検証試験に効果的だと言えるでしょう。

コスト削減

真空注型は金型不要であり、熱硬化性樹脂を使用するだけなのでコストを大幅に削減できます。試作品製作においてコスト削減は重要な課題であり、小ロット生産に適している真空注型はコスト削減に適しているのです。

真空注型を活用した試作品製作のメリット

ここでは、試作品製作における真空注型の2つのメリットについて解説します。
・低コスト・短期で試作可能
・汎用性が高い

低コスト・短期で試作可能

真空注型は簡易的な樹脂類が使用されることがほとんどであり、低コスト・短期で試作可能です。使用する材料によって効果スピードも異なるため、24時間以内に試作品を作ることもできます。

汎用性が高い

真空注型で使用する樹脂において、異なる材質でも合わせることができるだけでなく、材料内に端子やナットを入れることもできます。これらにより汎用性が高い試作品を作れるので、工業分野や医療分野にも使用される成型品が試作可能です。

真空注型を活用した試作品製作のデメリット

ここでは、試作品製作における真空注型の3つのデメリットについて解説します。
・大量生産に不適
・材料の選択肢が少ない
・複雑な形状が難しい

大量生産に不適

1つのゴム型から15~20ショット分しか試作できないので、大量生産に向いていません。1度の試作で一定数の成形品が必要な場合は、真空注型以外の試作方法で試作するようにしてください。

材料の選択肢が少ない

真空注型で使用できる樹脂材料はウレタン系かエポキシ系に限られているため、材料の選択肢が少ないです。材料の選択肢が少ないことで強度テスト品の試作には不向きだと言えます。

複雑な形状が難しい

真空注型は切削加工のような高精度な造形には不向きであり、複雑な形状が難しい点でデメリットです。複雑な形状で試作するためには、熟練した技術が必要となります。

今回のまとめ

商用・営業用サンプル品の製作で真空注型の用途は「形状確認」「検証試験」「コスト削減」の3つであり、効率的に試作品製作を行うために有用だと言えるでしょう。真空注型のメリットは低コスト・短期で試作可能であり、成型品の汎用性が高いことです。デメリットは大量生産に不向きであり、複雑な形状の成型品が作りづらい点などが挙げられます。真空注型を試作品製作で活用する際には、メリット・デメリットを精査してから試作するようにしてください。