試作品製作での堅牢性のあるSLSの最適な用途にはどのようなものがあるか

2022/07/11
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試作品製作で選択的レーザー焼結(以下SLS)の最適な用途について知りたい人もいるのではないでしょうか。SLSは堅牢度が高い加工法であり、最適な用途に利用することで抜群の効果を発揮します。試作品製作でSLSを検討するのであれば、事前にSLSの最適な用途を把握しておきましょう。ここでは、試作品製作におけるSLSの最適な用途について解説します。

SLSの代表的な用途は自動車の試作品製作

試作品製作でSLSによって製作される試作品は堅牢性が高く、耐久性に優れているのが特徴です。自動車部品は堅牢性と耐久性が高いプラスチック製品が利用されることが多いので、SLSの試作品が使用されることが少なくありません。
SLSで使用される材料は先進のナイロン系の樹脂材料から超微粒子の金属材料など幅広く、さまざまな自動車部品に汎用性があります。自動車部品は高負荷に耐えられなければならないので、強度や耐久性だけでなく、耐熱性や硬度が求められるのです。箇所によっては摩耗しやすい部品もあるので、耐摩耗性も付与しなければなりません。
SLSは材料の組み合わせによって、さまざまな機能性を付与できるので、自動車の試作品製作に最適だと言えるでしょう。

医療機器や航空機器などにも最適

堅牢性の高いSLSの試作品は、自動車だけでなく医療機器や航空機器にも最適です。医療機器や航空機器は精度だけでなく、短納期での提出を求められることがあるので、必要に応じて迅速に設計できる加工法でなければなりません。試作品のデザイン評価や材料の評価をするのも時間がかかるので、医療機器や航空機器は高品質の試作品を迅速に提供できる加工法が不可欠です。
SLSは設計データがあれば、数時間から1日ほどで試作品が完成するので、医療機器や航空機器にとって最適な加工法だと言えるでしょう。使用する材料によって耐衝撃性や柔軟性も付与できるので、用途に合わせた試作品製作も可能です。医療機器や航空機器の試作を検討するのであれば、精度や納期の面でSLSを検討してみることをおすすめします。

身近なものでは自動車以外にも蝶番などがある

試作品製作でSLSによって製作されるのは自動車や医療機器、航空機器だけではありません。蝶番などの身近なものにも利用されます。SLSの試作品は使用する材料の機能性によって様々な試作品製作に対応可能なので、幅広い分野の製品に使用できるのです。
例えば、使用する材料に鉱物繊維を充填することで、強度や耐熱性を付与できるため工具にも転用可能です。熱可塑性樹脂類であれば、元の形状に回復する柔軟性が備わっているので、稼働性蝶番にも使えます。試作品の用途や機能性を事前に把握しておくことで、SLSで利用できる材料を見極められるのです。
SLSによる製品は、自動車以外にも私たちの身近なものに幅広く使われています。

今回のまとめ

試作品製作でSLSは自動車部品の製作現場で多く利用されています。自動車部品は堅牢性や耐久性が求められるので、さまざまな機能性を付与したプラスチックが使用されることがほとんどです。
堅牢度の高さを誇るSLSの試作品は、使用する材料によって幅広い分野の製品に使用できるので、自動車だけでなく医療機器や航空機器にも利用されています。医療機器や航空機器は精度だけでなく、短納期での提出が求められることがあるので、設計データがあれば数時間から1日ほどで完成するSLSは最適な加工法だと言えるでしょう。