数多く存在する企業のものづくりのデジタル化によるメリット

2022/05/20
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製造業にもデジタル化の波が押し寄せています。しかし、実際にデジタル化を推進する事で、どのようなメリットが得られるのか、いまいちイメージが湧かない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、ものづくりのデジタル化によるメリットについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

デジタル化の最大のメリットは設計生産性の向上

デジタル化の最大のメリットは、設計生産性の向上です。ここでは、具体的にどのように設計生産性が向上するのか、3つの項目に分けて解説します。

設計ミスを減らせる

デジタル化により設計ミスを減らせます。いままで二次元の平面図を立体におこす作業のなかで、パーツの干渉や不一致などのミスが起こりやすくなっていました。これは人の経験や技術に依存しているからこそのミスです。デジタル化により、設計の段階で3次元でのシミュレーションが可能となればこのようなミスを防ぐ事が可能です。また、データをより多くの人と共有すれば、ミスに気付く機会を増やせます。

情報共有が容易

デジタル化を行えば、社内外問わずに情報の共有が容易に行えます。特に3次元設計を用いれば、平面図よりも視覚的・直感的に理解することが可能です。設計を専門としていない、企画や販売の部署の人とも隔たりなく意見交換が行えるので、設計生産性が向上します。

開発期間の短縮

デジタル化により、商品の開発期間を短縮する事ができます。今までは試作品を作っては改良を加える作業を繰り返す必要がありましたが、デジタル化により、試作品を作らずともおおよそのシミュレーションができるようになりました。それにより、アイデアが商品設計にすぐ結びつけられ、より良い商品が早く作れるようになったのです。
開発期間が短縮されると、細やかな修正や改善がしやすくなります。トライアル&エラーを低コストでスピーディーに展開できるのは、商品開発において大きなメリットであり、良い商品を生み出す原動力となるでしょう。

企業の営業力や販売力も上がる

デジタル化を推進する事により、企業の営業力や販売力アップにもつながります。その事例を見ていきましょう。

短時間で正確な見積りが提供できる

ものづくりにおいて、クライアントからの変更依頼は度々起こります。そしてその都度、見積りをし直さなければいけません。見積りのやり直しの正確さとスピードは、経験に依存する部分が大きいでしょう。しかし、デジタル化されていれば、瞬時に変更を設計に反映して、見積りを出すことができます。ミスなく迅速に見積りを出せるというのは、クライアントからの信頼を得るうえで大変重要です。

ミスを減らせる

デジタル化により、ヒューマンエラーを起しにくくなります。データの共有が容易になり、複数人でのダブルチェックがしやすくなることに加え、ソフトウェアのチェック機能なども活用できるからです。結果としてミスのない対応は、生産性向上だけでなくクライアントからの信頼を得る事にも繋がります。

人による説明のばらつきが起きにくい

営業担当者の説明によっては、設計やデザインのイメージを伝えきれない場合があります。デジタル化により、クライアントが視覚的に瞬時に理解できる情報を提示できれば、営業担当者はその分他の事に説明やアピールする時間を充てることが可能です。クライアントも視覚的に共通認識を持てるのは、安心材料となるでしょう。

デジタル化はものづくりの新しい未来を切り開ける

今まで日本の製造業は職人の経験やノウハウに依存している傾向がありました。技術は見て盗むという考えが根強く残っているのも事実です。しかし、人伝えには限界がありますし、人不足で継承者が見つからないといった問題もあちこちで起きています。
そこで経済産業省は「2019年版ものづくり白書」を提言しており、製造業のデジタル化を推進しています。デジタル化は深刻な人材不足の問題解決の鍵として、期待されている分野です。効率的にニーズを解析し、少ない人数でも生産性を高く保てるデジタル化は、ものづくりの新しい未来を切り開くでしょう。

今回のまとめ

ものづくりのデジタル化によるメリットについて解説しました。少子高齢化、人口減少が問題となっている日本において、人材不足を解消するデジタル化は、ものづくりの現場においても避けて通れないキーワードです。機械に任せられる事は機械に任せ、人にしかできない仕事を突き詰めることにより、効率的で専門性のあるものづくりが実現すると考えられます。デジタル化の波をポジティブにとらえ、新しい未来を切り開いていってはいかがでしょうか。