自動車業界のカーデザイナーの仕事とは

2022/03/10
column

自動車メーカーには、さまざまな分野の専門知識を備えた人々が勤務しています。カーデザイナーは自動車を製造する上でも自動車の見た目を左右する重要な職業で、大きな熱意や夢を持った人でなければ務まらない仕事です。自動車の製造に関わりたいと思っている人なら、あこがれを持っている人も多いのではないでしょうか。仕事の流れや、カーデザイナーになる方法などを見ていきましょう。

【目次】
1.カーデザイナーとは
2.仕事の流れ
3.カーデザイナーになる方法
4.今回のまとめ

カーデザイナーとは

カーデザイナーは工業製品をデザインする「インダストリアルデザイナー」の一種で、自動車の外観をデザインするエクステリアデザイナーと、内装をデザインするインテリアデザイナーに大きく分けられます。自動車はいくつもの精密な部品を組み上げて製造されることから、自動車に対する深い知識やデザインセンスが求められる、非常に専門性が高い仕事です。
実際には1人で全てのデザインを担当するわけではなく、エクステリアデザイナー・インテリアデザイナー・クレイモデラー・デジタルデザイナー・カラーデザイナーなどが分業で仕事を進めていきます。1台の自動車をデザインするために、複数のデザイナーが関わっているのです。自動車のデザインは見た目や使い勝手を大きく左右する要素であり、やりがいは大きいといえます。

仕事の流れ

カーデザイナーの仕事の、おおまかな流れを見ていきましょう。自動車の開発はコンセプトを決定することから始まります。「ターゲットは誰か」「どのような目的で乗車するのか」など、ユーザーのことを考えながらコンセプトを明確にした上で、デザインに落とし込んでいくのです。決定したコンセプトをもとに、カーデザイナーが外装や内装を検討します。どんなに優れたデザインを思いついたとしても、実際に開発できなければ意味がないので、設計部門や生産部門とも連携しながら作業を進めることになります。さまざまなデザイン案の中からユーザーの意見を取り入れつつ、最適なものを作り上げる作業をします。
1年半以上の時間をかけて、じっくりと取り組むことが少なくありません。デザインが決定したら模型を製造してデザイン面以外の空気の流れから受ける影響や、使い勝手の面に問題がないか検討します。
試作車の製造を経て、製造過程で問題が起きそうであればデザインを微調整しなければなりません。その後、安全性や機能面などのいくつものテストを受けて問題がなければ生産が開始されます。

カーデザイナーになる方法

カーデザイナーには、インダストリアルデザインの知識が求められます。カーデザイナーになるには、大学や専門学校などで工学やデザインの基礎を学んだ上で、デザイン事務所や自動車メーカーに就職する方法が一般的です。優れた自動車を生み出せば世界的に認められるチャンスがあることから、自動車メーカーや自動車のデザインを扱うデザイン事務所は就職先として人気があり、競争率も非常に高くなっています。
人気が高い職業だけに、相応の実力やセンスを持っていなければ採用されません。大手の自動車メーカーへの入社は、狭き門だといえるでしょう。自動車メーカーの社員の年収は600~700万円前後とされていますが、企業の規模によっても異なり、実績を持ったカーデザイナーになれば年収が1000万を超えることもあります。

今回のまとめ

カーデザイナーは自動車の外装や内装をデザインする職業で、自動車に関する知識やデザインセンスなどが求められます。カーデザイナーになるにはインダストリアルデザインの知識が必要で、ユーザーのニーズやコンセプトに合わせたデザインをする能力を持っていなければなりません。必要な知識を備えた上で、自動車メーカーやデザイン事務所などに就職できればカーデザイナーとして活躍するチャンスを得られますが、人気が高い職業だけに狭き門であると覚えておきましょう。