商品開発時に自社のブランドを守るための「商標権」とは

2022/03/02
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自社商品を開発した時に、類似した商品を他社が販売しないようにブランドを守る権利として、商標権があります。商標権は、商標登録を行うことで得られる権利ですが、具体的にどのような権利を指すのでしょうか。また、似たような意味で使われるケースが多い著作権との相違点は、どこにあるのでしょうか。今回は、商標権について深く掘り下げてみましょう。

【目次】 
1.商標権とはどんな権利なのか
2.商標権と著作権の違いはどこにあるのか
3.商標登録の流れとは
4.今回のまとめ

商標権とはどんな権利なのか

商標権とは、ネーミング(文字)やロゴ(マーク)などの目印(商標)を保護し、他の商品と区別するための権利を指します。特許権・実用新案権・意匠権と同じく、産業財産権のひとつです。商標権が与えられると、専用権と禁止権という2つの効力が発揮されます。これにより、模倣防止のための保護を受けることができ、同じような商標を他のものに付けることができなくなります。
商標権が、他の産業財産権と大きく異なるのは、期間が大変長い点です。商標権の期間は、登録日から10年間が原則ですが、更新料の支払いにより更新手続きを取れば、半永久的に継続が可能なのです。これに対し、意匠権は25年、特許権は20年、実用新案権は出願の日から10年と、いずれも一定期間が過ぎると権利が終了してしまいます。

商標権と著作権の違いはどこにあるのか

先ほど紹介した産業財産権は、知的財産権に含まれます。知的財産権に含まれる権利のひとつに、著作権があげられます。著作権は、音楽や書物などでよく取り上げられる権利ですが、商標権と著作権の大きな違いは、申請が必要かどうかという点です。商標権は、特許庁への登録が必要ですが、著作権は作品が完成した時点で自然に権利が発生します。このため、申請や登録が不要なのです。
また、著作者の死後50年間(映画などは70年)は、法的に保護されることになっています。侵害した場合の罰則は、商標権と著作権のどちらも内容は同じですが、著作権は場合によって盗作とはみなされない可能性があるのです。これは、元の作品を知らなくとも、似た作品が偶然できるケースが起こるためです。しかし商標権は、罰則を免れることはなく、第三者の使用が法的に差し止められます。

商標登録の流れとは

商標権を得るには、商標登録を行う必要があるため、書類もしくはインターネットを使って出願します。書類での出願では、商標登録願を作成し、特許印紙を購入して指定の箇所に貼り付けます。収入印紙では手続きできないので気をつけましょう。その後、 特許庁の受付窓口へ直接持参するか、もしくは郵送で提出します。出願してから数週間後に、払込用紙が届きますので、電子化手数料を納付しましょう。
インターネット出願では、電子証明書とインターネット出願ソフトを使って、出願や書類の受け取りなどをオンラインで行います。詳しくは、電子出願ソフトサポートサイトを参照ください。

今回のまとめ

商標権の申請前に、似たような商標権がないかどうかを確認するには、特許庁公式の 「J-PlatPat」という検索サイトで調べることができます。確実に商標権を得るためには、事前にしっかり検索してから手続きをとるようにしましょう。