自動車や工業製品などの商品に用いられる「焼結加工」とは

2022/02/24
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部品やパーツなどの製造時に選択される加工方法のひとつに、「焼結」があります。高い精度や強度を持つ製品が大量生産できるうえ、加工工数やロスを減らせることが特徴です。焼結加工とは、具体的にどのような工程で進めていくと良いのでしょうか。今回は、焼結加工の概要や流れを解説します。

【目次】 
1.焼結とはどのような加工なのか?
2.焼結加工のメリット・デメリットとは?
3.焼結加工を行う工程とは?
4.今回のまとめ

焼結とはどのような加工なのか?

焼結とは、「粉末冶金方法」とも呼ばれる製法であり、粉末状になっている金属などを金型などに入れて成形し、融点より低温で焼き固めていく加工法をさします。材料として使われる素材には、金属のほかに金属間化合物・セラミックス・複合材料・その他(ナイロン・ポリエチレンなど)が挙げられます。焼結加工は、長時間かけて行うため、素材の粒子間にある隙間が徐々に小さくなり、粒子同士が強く結びつくことで、製品の硬度を高めることができます。
プーリーおよびスプロケットなど、量産が必要な部品や、複雑な形状をした小さい部品を作るのに適しており、自動車部品・家電製品・事務機器などに広く活用されている加工方法です。

焼結加工のメリット・デメリットとは?

次に、焼結加工を行ううえでのメリット・デメリットを見てみましょう。

メリット

焼結加工では、原料を溶解させる必要がなく、融点が高い材質でも加工できます。これが、原料を熱で溶かす加工法である「鋳造」と大きく異なる点です。
また、焼結の段階で製品の精度が上げられ、後述する二次加工を行う必要性が減らせるうえ、材料のロスも削減できます。さらに、型枠があれば、何度でも同じ製品が作り出せることから、大量生産にも適した加工方法です。

デメリット

焼結加工は、原料を粉末にするコストが必要となり、製造コストに反映されるため、製造コストが高くなる可能性があります。
また、粉末から成形することで、製品内部に小さな空間が生じ、細かい部品の成形は難しいとされています。粒子同士が結びつく際に粒子が縮むと、求めている寸法の成形品よりも小さくなってしまう点も、デメリットとして挙げられるポイントです。

焼結加工を行う工程とは?

焼結加工の工程は、大きく4つに分かれます。
最初に、原料となる金属粉末を配合し、混合機で混ぜ合わせます。この時、製造したい製品に合わせた原料の配合が必要です。続いて、混合した粉末を金型に入れ、プレス機で押し固め圧縮成型します。型に粉末を入れることで、複雑な形をした製品も製作可能です。成形したら、工程のメインとなる焼結を行います。先述したように、焼結が完了した製品のサイズは、成形した段階の製品サイズよりも小さくなります。
焼結が終わって、必要であれば最後に二次加工を行います。二次加工には、基準交差内に抑えるための加工や、強度を上げるために熱を加える加工などが含まれます。鋳造に比べ、焼結の方が二次加工の手間を減らせる場合があるほか、製品によって2次加工が必要なものとそうでないものがあります。

今回のまとめ

焼結加工は、材料ロスが少なくて量産に適しており、精度も上げることができるなど、メリットが大きい加工方法ですが、全ての製品に適用できるものではありません。焼結加工のメリットとデメリットを把握した上で、製品の特性やコストなどを総合的に考慮し、最適な加工方法を取り入れるようにしましょう。