試作品・モックアップ製作やものづくりで活用されるエコ素材

2021/12/23
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ゴミの分別や排出量を減少させることで、地球温暖化を防ぐなど地球環境を大切にするエコの取り組みは家庭だけでなく、企業活動においても注目されています。自動車製造業において、CO2排出量の少ない電気自動車を積極的に導入するのも一つの例でしょう。しかし、企業が取り組みたいエコ活動はそれだけではありません。試作品やモックアップ製作、またものづくりにおいて使用されるエコ素材にも注目が集まっています。この記事では、どのようなエコ素材が使用されているのかについてご紹介します。

【目次】
1.エコ素材とは?
2.木材繊維を使ったエコ素材
3.植物由来のプラスチック素材
4.今回のまとめ

エコ素材とは?

エコ素材とは、処分時に環境への負荷が少ない、有害物質を含んでいない素材、エネルギーの有効活用ができる、生成する過程で環境への負担を低減するなど、環境への配慮がされている素材のことです。エコ素材には日本環境協会認定のエコマークがつけられているのが一般的です。
ものづくりなどにおいて、従来の素材の代替えとしてエコ素材が使用される例は非常に多くあります。たとえば、石油を原料としたものでいえば、食品トレーなどに使用されるプラスチックや衣料に使用される合成繊維などがあげられます。

木材繊維を使ったエコ素材

ここからは、数あるエコ素材の中から木材繊維を高度に微細化して作られる注目のセルロースナノファイバーについてご紹介します。自動車部品試作品が「エコプロ2018」で展示されたことで注目を浴びたセルロースナノファイバーは、鉄鋼の5倍の強度と軽さは鉄鋼の5分の1という強さと軽量性を兼ね備えた素材。再生可能な材料で、フィルターや食材の鮮度維持に役立つガスバリアフィルムなどにも利用可能です。日本製紙は、抗菌・召集シートとして成人用紙おむつや吸水パッドとして実用化しています。
また、アシックスはセルロースナノファイバーを使った高機能ランニングシューズを販売。靴底の独自スポンジ素材にセルロースナノファイバーを使用し、スポンジ材の気泡の補強に役立っているそうです。さらに、静岡県ではセルロースナノファイバーを使用した試作品開発に助成金を支給する取り組みも生まれています。

植物由来のプラスチック素材

続いては、植物由来の天然素材を使ったエコ素材「エコフィッツ」についてご紹介します。大阪に本社を置く東信科学株式会社が開発した素材で、原料はとうもろこしのでんぷん。発泡スチロールなどの代替えとして利用でき、梱包時の緩衝材になることはもちろん、保湿剤、断熱材としても活躍する優れものです。使用後は一般ゴミとして出すことができ、燃やしても有害物質はでません。
また、同じくプラスチックの代替えとして注目されているのが寒天を固めて作られたものです。デザイングループAMAMがLEXUS DESIGN AWARD 2016のグランプリを受賞したもので、梱包資材として使用。
今後も、ボールペンや歯ブラシなど、さまざまな用途への開発に期待が寄せられています。さらに、試作品などの制作に期待大なのが植物由来のとうもろこしやサトウキビを使ったバイオマスプラスチックでしょう。パソコンやスマートフォンなどの部品や衣類などにも利用できる素材です。

今回のまとめ

昨今、試作品やモックアップ制作、ものづくりにおいても、さまざまなエコ素材が実用化されてきています。積極的にエコ素材を使用することで、環境に配慮した企業であることをアピールでき、注目度もアップすることでしょう。ご紹介してきたエコ素材は、ほんの一部にすぎません。今後、試作品やモックアップ制作、ものづくりを行う際には、使用する素材にもこだわってみてはいかがでしょうか。