ものづくりにおいて新たな価値を創造するために重要な考え方

2021/12/06
column

日本におけるものづくりのレベルは、世界でもトップクラスといわれ、その確かな技術は高い信頼を得ています。この技術の価値をさらに高め、新たな価値を創造することが、今後の技術継承や多様化する価値観への対応に必要不可欠だとされています。そのためには、具体的にどのような施策や考え方が効果的なのでしょうか。日本の製造業のさらなる発展を目指すために、今回の記事で思索してみましょう。

【目次】 
1.日本の製造業が抱える懸念材料とは
2.これからのものづくりに求められることとは
3.ユニークなアイデアを生み出すのも重要
4.今回のまとめ

日本の製造業が抱える懸念材料とは

日本は、戦後の高度成長期以来、製造業を中心として復興をとげました。日本人特有の勤勉さや、顧客からの高い要求水準に応えるための努力などが、現在の日本における製造業の基盤になっているといえるでしょう。しかし、製造コスト削減のため、多くの製品が海外で作られるようになりました。日本では、ITを導入・活用している企業が、諸外国に比べて大幅に少なく、生産性の向上を妨げる一因ともなっています。
さらに、職人の高齢化や労働人口の減少・製造業離れなどにより、技術の継承が困難になっているケースもみられます。人材に関する懸念点は、主に中小企業でみられますが、大企業の製品は中小企業の技術力に支えられている面も大きく、ひいては日本の製造業全体に影響をおよぼすことにも繋がりかねないのです。

これからのものづくりに求められることとは

価値観の多様化により顧客のニーズが変化している現状では、コスト面だけでなく、製品に対して高い付加価値が求められています。付加価値のひとつとして挙げられるのが、「体験の提供」です。ライフスタイルの変化により、ものを持つよりも、ものを作る体験に目を向ける人も増えています。業種によってはむずかしい場合もありますが、工場見学やワークショップなどの開催により、実際にものづくりを体験してもらうことで、製造業に興味を持ってもらう取り組みが注目されています。
ものが満ち溢れている現代では、体験による満足度が、ものを手に入れる満足度を大きく上回ることもあり、顧客のニーズも高まっています。安心・安全を守りつつ、さまざまな付加価値を構築していく取り組みが大切なのです。

ユニークなアイデアを生み出すのも重要

高い品質を保ちながら、新しい製品開発を行うには、これまでになかったアイデアを出すことも重要です。例をあげると、製品の素材やデザインを変えてみたり、異業種との「開かれたコラボレーション」によって新たな基盤を作ったりする取り組みが行われています。
また、アイデアを実行させるのと並行して、生産性を向上させるために社内でデジタル化を進めることも、これからの製造業にとって必要不可欠です。デジタル化したうえで、ビジネスモデルを変革させるDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現も進めることができます。

今回のまとめ

ものづくりは、常に新しい製品を開発するための技術力やアイデアが求められる業務です。顧客から求められる製品を作り出すには、さまざまな考え方を取り入れ、新たな価値を構築していくことが大切です。この取り組みが、ひいては顧客満足につながっていくでしょう。