試作品・モックアップ製作における3D-CADと3D-CGの違い

2021/08/04
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試作品・モックアップ製作では、図面の設計を行って3Dデータを作成することが一般的です。試作品・モックアップ製作において使用する3Dデータは、3D-CADと3D-CGに分けられますが、2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
そこで今回は、試作品・モックアップ製作における3D-CADと3D-CGの違いについてお伝えします。

【目次】
1.3D-CADデータの概要と用いられる場面
2.3D-CGデータの概要と用いられる場面
3.試作品・モックアップ製作における3D-CADと3D-CGデータの違い
4.今回のまとめ

3D-CADデータの概要と用いられる場面

3D-CADとは「Computer Aided Design」の略で、モノづくりを行う際の設計を行うためのコンピュータソフトウェアです。主に工業製品や建築物などを作る際に用いられ、立体物として物の内部構造から表面の形まで詳細に設計することができます。3D-CADで作られる3Dデータは、設計後の機能性や実用性の検討を踏まえ、例えば物の寸法や体積、表面積、重量、重心などの幾何情報を設定することができます。この幾何情報の設定により、コンピュータ上で精度や強度、機能などのシミュレーションを行うことができます。
また、3D-CADで作られる3Dデータは、実際の製作時に必要な加工プログラムの作成時に利用することができるなど、多くの情報を持たせることができます。

3D-CGデータの概要と用いられる場面

3D-CGとは「Conmputer Graphics」の略で、主に映画やアニメーションなどの映像、ゲームなどを作るためのコンピュータソフトウェアです。奥行きのある物を形づくり、表面の色や曲面、光の反射や影、質感などを表現することができ、リアルな描写から現実にはないような演出まで幅広いものを作ることができます。
また、3D-CGデータでは、作り込んだ様々な要素を一つのファイルとして処理する「レンダリング」を行うことで、物に動きをつけることもできます。

試作品・モックアップ製作における3D-CADと3D-CGデータの違い

上述したとおり、3D-CADは物の設計を行うために作成するデータであり、3D-CGは物のイメージを描写するために作るデータのことを指します。そのため、試作品・モックアップ製作においては、物の設計を行う際に3D-CADデータを作成し、商品のイメージ確認を行う際に3D-CGでデータを作成することが一般的です。
3D-CADデータの作成時には、より良い商品を作るために調整を繰り返し、実際に機械で造形や加工を行う上で必要な処理を行う必要があります。また、3D-CGデータの作成は、開発商品の使用イメージやシーンなどを再現するため、より実物に近い表面の質感を再現したり、背景の作り込みまで行うことができ、プレゼン資料などに活用することに適しています。

今回のまとめ

3D-CADとは「Computer Aided Design」の略で、主に工業製品や建築物などを作る際に用いられ、立体物として物の内部構造から表面の形まで詳細に設計することができます。3D-CGとは「Conmputer Graphics」の略で、奥行きのある物を形づくり、表面の色や曲面、光の反射や影、質感などを表現することができます。
このように2つの3Dデータには違いがあり、試作品・モックアップ製作においては、物の設計を行う際に3D-CADデータを作成し、商品のイメージ確認を行う際に3D-CGでデータを作成することが一般的です。