試作品・モックアップ製作における樹脂材料の成形方法

2021/07/27
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樹脂材料とは、石油を原料として人工的に作られた材料(プラスチック)のことを指します。樹脂材料は、工業製品の部品、ホースやパイプなどのビニル、OA機器や電気機器、精密機器などに用いられるABS、フィルムや容器などに用いられるプラスチックシートなど非常に様々な種類があります。種類によって耐熱性や対薬品性など性質が異なるため、目的に応じて材料を選択し、最適な工法で成形することが大切です。
そこで今回は、試作品・モックアップ製作における樹脂材料の成形方法について一部お伝えします。

【目次】
1.樹脂は熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に分けられます
2.熱可塑性樹脂に適した成形方法
a. 材料押出法
b. 粉末床溶融結合法
c. 真空成形
3.熱硬化性樹脂(光硬化性樹脂)に適した成形方法
a. 材料噴射法
b. 液槽光重合法
4.今回のまとめ

樹脂は熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に分けられます

樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂(光硬化性樹脂)に分けられます。
熱可塑性樹脂は、加熱して一定温度まで上昇すると溶け出し、冷却すると固まる性質を持っています。一方、熱硬化性樹脂(光硬化性樹脂)は、材料に光を照射すると硬くなる性質を持っています。
このように、樹脂によって異なる性質を持っているため、それぞれの性質に応じて最適な成形方法を選ぶことが大切です。

熱可塑性樹脂に適した成形方法

材料押出法

材料押出法は、3Dプリンタでの積層造形法の一つで、細長い形状の樹脂材料を加熱してノズルの先端から押し出して積層することにより造形する方法です。多くの場合、造形物用の材料と、材料を固める際に垂れ下がってしまわないよう補助するサポート材を使用します。

粉末床溶融結合法

粉末床溶融結合法は、3Dプリンタでの積層造形法の一つで、ステージに敷き詰められた粉末状の樹脂にレーザービームを照射して加熱することにより造形する方法です。材料押出法とは異なり、粉末状の樹脂が敷き詰められていることにより、造形物が固まるまで補助するサポート材が必要ありません。

真空成形

真空成形は、加熱したシート状の樹脂を型に合わせて密着させ、真空状態で冷却することにより成形する方法です。薄肉の成形を得意としており、少量生産を行うこともできます。

熱硬化性樹脂(光硬化性樹脂)に適した成形方法

材料噴射法

材料噴射法は、3Dプリンタでの積層造形法の一つで、液体状の樹脂をインクジェットプリンタのように機械のヘッドを移動させながら噴射し、紫外線によって硬化させる造形方法です。

液槽光重合法

液槽光重合法は、3Dプリンタでの積層造形法の一つで、光造形法(STL)とも呼ばれています。液体状の樹脂をプールに入れ、ステージを下げながらレーザービームを照射することにより表面一層分の硬化を繰り返すことにより造形する方法です。

今回のまとめ

樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂(光硬化性樹脂)に分けられます。熱可塑性樹脂は、加熱して一定温度まで上昇すると溶け出し、冷却すると固まる性質を持っています。一方、熱硬化性樹脂(光硬化性樹脂)は、材料に光を照射すると硬くなる性質を持っており、試作品・モックアップ製作においては性質に応じて造形方法を選びます。
熱可塑性樹脂に適した成形方法としては、材料押出法や粉末床溶融結合法、真空成形などが挙げられ、熱硬化性樹脂(光硬化性樹脂)に適した成形方法としては、材料噴射法や液槽光重合法などが挙げられます。