製品のような表面処理を施せる!企業向け試作品製作におけるシボ加工とは

2022/11/18
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さまざまな柄や質感を試作品の段階から試せるシボ加工が現在注目を集めています。しかし、製品を作り始めたばかりの方の場合、「シボ加工って何?」と疑問に思うことも多いのではないでしょうか。
ここでは、企業向け試作品製作におけるシボ加工について詳しくご紹介します。シボ加工の強みを把握し、試作品製作にお役立てください。

試作品製作のシボ加工とは細かい凹凸の模様を付ける金属微細加工法のこと

シボ加工とは、金属の表面に模様をつける金属微細加工法の1つです。主に薬品によって金属を溶解するため、ケミカルエッチングとも言います。
布がまだなかった時代、動物の生皮を実用的にするためになめす技術が発達しました。揉んだり絞ったりして、しわをつける作業を「シボ付け」と呼び、この模様を「シボ」と呼ぶことから由来しています。
プラスチック成形金型の場合、皮革模様に限らず木目、岩目、砂目、なし地、幾何学模様の腐食加工もすべて「シボ加工」と呼びます。つまり、多くの製品にシボ加工が施されているというわけです。なし地は現在、多くの金属やプラスチックなどのシボ加工処理で使われており、ゲーム機のコントローラーや本体の加工などにも使われています。ゲーム機だけでなく、今や私たちの利用している製品の多くにシボ加工が施されているのです。
シボ加工をすると、見た目に高級感が出るだけでなく、触り心地や滑り止め防止、指紋付着防止や傷が目立たなくなる効果の他に、成形加工時に生じる溶接線や凹みも目立たなくし、離型が容易になるなどの生産性にも寄与するでしょう。

ツヤ消し・滑り止めなどの質感で高級感を演出する

現代の5G時代に必要不可欠なスマートフォンなどの通信機器や移動手段の自動車やバイク、医療を支える精密機械など、世の中には多くの製品で溢れています。それらの製品は開発当初から完成形だったのではなく、試作品からスタートして改良を繰り返し行った結果、製品化しているのです。
当然、シボ加工されている試作製品も試作品の一つ。ツヤ消しや滑り止めを利用することで、高級感のある質感を演出することが可能です。その結果、見栄えが良くなり、扱いやすい製品になります。
そのため、試作品製作は製品量産において非常に重要な工程です。機械の精度のみならず、塗装や表面処理などの外観も世に出ることを視野に入れた品質レベルで仕上げる必要性があります。高級感を演出したい商品にはシボ加工を施してみると良いでしょう。

砂目や岩目、皮革、幾何学模様などさまざまな柄を再現できる

シボ加工によって、砂目や岩目、皮革、幾何学模様などさまざまな柄を再現することが可能です。より実際のものに近い、本物らしく立体感のあるシボを実現するために、転写と腐食を繰り返して行いますが、いずれの柄を再現する場合であっても、加工原理は共通しています。
さまざまな柄を再現できるので、現在では色々な試作品を試すときにシボ加工が利用されており、開発者の中では必需品になってきていると言えるでしょう。より高い品質の試作品を完成させたい方はシボ加工の導入がおすすめです。

今回のまとめ

今回は、試作品製作におけるシボ加工について解説しました。実際に世の中に出すような品質の表面処理ができるため、より質の高い試作品を製作したい方におすすめです。また、シボ加工ではさまざまな柄を再現できるので、試作品の段階で色々試してみると良いでしょう。