試作品製作をする際に知っておきたい量産前試作

2022/10/03
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試作品製作を行う際に知っておきたい工程として「量産前試作」があります。製品化する際に非常に大切な工程である量産前試作ですが、量産前試作の段階で起こり得る問題についてしっかりと理解している方はそう多くありません。
この記事では、試作品製作の量産前試作の段階でよく起こり得るトラブルやその原因について詳しくご紹介します。

試作品製作における量産前試作の段階でよくある問題とは?

試作品製作が成功し、いよいよ量産前試作に移行するという段階で、様々な問題が生じるケースも少なくありません。
例えば、製品の量産時に製造を業者に依頼する場合やこれまでと違う業者に委託する場合は著作権などの知的財産権に関するトラブルに注意が必要です。
試作メーカーが手がけた図面の著作権は、あくまでも試作を担当した業者やメーカー側にあります。そのため、無断で他の業者に大量生産の依頼をしてしまうと、知的財産の権利侵害として訴訟を起こされる可能性があるのです。
そのようなトラブルを回避するためにも、試作メーカーが作成した図面や権利等を事前に買い取るなどして、権利の所在がどこにあるかを明確にしておきましょう。
その他にも、量産するための部品の調達ができないなどのトラブルも起こりやすいので、部品の調達ルートの手配と資金準備が非常に大切です。

量産段階で問題が起こる原因

量産段階で何かしらの問題が生じる大きな原因としては、大きく分けて2つ挙げられます。
一つ目の原因は「コスト」の実現可能性です。市場に出回っている多くの商品は安価な原価で作られています。そのため、現状市場に出回っている安価な商品と張り合っても勝てないケースがほとんどです。
製品開発をする際には、ある程度高価格帯の製品としてリリースしなければ、市場で戦うことは非常に厳しいと考えてください。
二つ目の原因は、加工の実現可能性です。試作品製作の段階と量産の段階においては、生産方法や加工方法が大きく異なります。そのため、試作の段階では製作できたものが量産段階ではうまく加工ができなかったり、仕様が大きく変わってしまったりなどの問題が生じてしまうのです。
試作段階の品質を維持したまま量産加工ができるかどうかしっかりと見極める必要があります。

量産までに行うべき試作工程について

量産段階に移行する前には、製品の性能や機能を確認するための機能を確認するための「原理試作」や市場ニーズやデザインを選定するための「デザイン試作」という2つの工程をクリアにしなければなりません。
量産段階で失敗しないためにも、これらの試作や検証を繰り返し行って、製品化して問題がないとしっかりと見極めることが大切です。最適な加工方法であるかどうかをはじめ、生産数と原価原価の関係性や量産する必要性など総合的に判断して量産段階にスムーズに移行してください。

今回のまとめ

今回は、試作品製作の量産前試作の段階でよく起こり得るトラブルやその原因について詳しくご紹介しました。量産前試作で失敗しないためにも、著作権の問題をクリアにすることや必要部品の調達ルートや資金をしっかりと確保しておくことを忘れてはいけません。
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